54.その少女の名は。 ページ7
『な、なんだよお前!』
半泣きの3人組、なさけねぇ……。
千『なんだお前らなきそうじゃん、なさけないなぁ。』
ゆっくり3人に近づく少女。
千『おやがいないから何だよ、私はべつにおやがいなくたって生きていける。」
同じ年頃の割には大人びている少女。
千『……もう二度とそいつにちかづくな。ここにもくんな。』
俺を1度見てそういった。3人は聞いたあとぴゃーーっと逃げていった。
樹『なんでおれを助けたんだよ。』
千『たすけたつもりは無い。私は昼寝をじゃまされたからおっぱらっただけ。』
樹『……お前はおれをバカにしないのか?ははなしごだってきいたろ。』
千『お前におやがいるかいないかなんて私はどーでもいい。』
樹『…』
樹『俺、おおとりいつき。おまえは?』
千『………よなぎ ちさ。』
樹『おれ多分またここにくる。よろしくな、ちさ。』
千『……くるのはいいけど、うるさいの連れてくんなよ?やきとりくん。』
樹『うん。……………おおとりだよ!!』
少女は神社の階段の端っこに腰をおろしねころんだ。俺も階段の少女とは逆の端っこに座る。
樹『………おれのおかーさん、買い物にいくって言ったっきりかえってこないんだ。…おとーさんはおかーさんのことは気にするなっていってくれた。』
千『いやべつに話さなくていいよ、きいてないし。』
樹『……でも』
千『え、無視?』
樹『このまえおとーさんと電車で遠出したとき見たんだ。おかーさんが別のおとこの人とあるいてるとこ。』
千『…………』
少女は仰向けに寝転んで頭のしたに両手をいれて目をつむっている。きいてるのかきいてないのかわかんねぇ。
樹『でも…おかーさんは帰ってくる。おかーさんはきっと俺のところに帰ってきてくれる。』
膝を抱えている腕に力が入る。
千『………あんまり期待しすぎないほうがいいと思うけどな。』
樹『……どーゆーいみだ。』
千『…期待したぶん裏切られたときがつらいぞ。』
樹『…っ…なんだと!』
少女は目をつむったまま涼しげな顔でつづける。
千『でも…__帰ってくるといいな。』
樹『……』
ただの皮肉なのか良心なのかか…今でもわからない。自分でもきっとどこかでわかってた、母はもう帰ってこない。
樹『っ…うぅ……うっ…』
千『……』
捨てられたんだろう、俺は。
アイツは目を閉じたままめんどくさそうに呟いた。
千『…ハァ………泣くなよ。』
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エイム(プロフ) - どうもはじめまして塩コショウ派の黄身カチカチ派です (2020年5月2日 22時) (レス) id: 749cfc485c (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - マロンさん» ご指摘&コメントありがとうございます!!思いっきり今気づきました…、私のミスで混乱させてしまってすみませんでした…。 (2019年11月29日 22時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
マロン - すごく面白いです!ついでですけどpart2の73なんですが、どこでコナンくんに会ったんですか?よく分からなくて。教えてください!応援してます!頑張ってください! (2019年11月29日 20時) (レス) id: 81eb5f8e4a (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - 黒豆春さん» ありがとうございます!……やはり塩コショウ派が多い。 (2019年1月21日 17時) (レス) id: 959de6d87f (このIDを非表示/違反報告)
黒豆春 - 初コメです!pinoさんの小説、面白くていつも読んでます。これからも頑張ってください!!なみに私も半熟塩コショウ派です! (2019年1月21日 15時) (レス) id: 6e47ac83d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pino | 作成日時:2018年12月27日 19時