67.あいつはいつも笑顔だった ページ20
「…そんな事よりお前は自分の心配をしたらどうなんだ??」
薫「…」
スプーンを皿に置いて黙りこむ。
薫「生き残ったのが私じゃなくて…お父さんだったら…お母さん…まだ笑ってくれたのかな。」
千「知らねーよそんなの。」
やっぱり子供はめんどくせーから苦手だ。
薫『またお母さんの笑顔が見たい』
そんなこと言ってたっけ。
薫「あの写真の男の人はすごく幸せそうだね。笑顔で…」
笑顔で幸せそう、か_
千「あいつはいつも笑顔だった。何も無い所で躓いたり、忘れ物が多かったり、すごくドジで。失敗した時でも笑顔だったし怒ったときもそうだったよ。」
いやちょっと待て怒ったときはすげー黒い笑顔だったわ。
千「それに私の前じゃ泣いたりなんかしなかった。」
見せなかっただけだけど。
千「自分の感情を隠すための笑顔だってある。だから笑顔だけで幸せは測れない。」
薫「…」
千「早くかーちゃん助けたいのはわかった。でもお前も疲れてるよ。」
そう言うとまたぐすぐすと泣きはじめ、私の腹に突進してきた。うおっ、と声をもらす。
薫「もうお母さんとどう接したらいいかわからない…!」
薫「お父さんがいたときは…家族だったのに…今はもう…!」
千「………あのな、」
今度は私が口を開く。
千「あの写真の奴いるだろ?私、引き取られるずっと前はちょ〜っと複雑な家庭環境だったから他人を信用するなんて私には難しい話でさー。」
ちょっとだけだ。本当にちょっとだけ話してやる。
千「何度も突き放したし、壁を作った。」
"こっちにおいで。そこは寒いでしょう?"
千「私が嫌いなめんどくさい奴だった。」
"もう大丈夫。だって私が__"
千「でもどんな事があっても私を見捨てたりなんかしなかった。」
"これからずっと一緒にいるんですから"
千「手をはなしたりなんかしなかった。」
知り合ったばっかのガキ相手に何話してるんだ私は。
千「ま、とにかく私が言いたいのは血が繋がってない私達がこうだったんだ。……きっとお前も元に戻れる。」
薫「ほんとに…っ?」
千「お前の努力次第。」
薫「うんっ…!……うぅ…っう……」
本格的に泣きはじめた。とりあえず静かに背中をさする。こういう時どうすればいいのかわからない。
あいつならどう対処したんだろうか。
………ねぇさ……お…お姉さ……お姉さん…
千「うるせーなぁ…あ?」
薫「おはようございます。」
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エイム(プロフ) - どうもはじめまして塩コショウ派の黄身カチカチ派です (2020年5月2日 22時) (レス) id: 749cfc485c (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - マロンさん» ご指摘&コメントありがとうございます!!思いっきり今気づきました…、私のミスで混乱させてしまってすみませんでした…。 (2019年11月29日 22時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
マロン - すごく面白いです!ついでですけどpart2の73なんですが、どこでコナンくんに会ったんですか?よく分からなくて。教えてください!応援してます!頑張ってください! (2019年11月29日 20時) (レス) id: 81eb5f8e4a (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - 黒豆春さん» ありがとうございます!……やはり塩コショウ派が多い。 (2019年1月21日 17時) (レス) id: 959de6d87f (このIDを非表示/違反報告)
黒豆春 - 初コメです!pinoさんの小説、面白くていつも読んでます。これからも頑張ってください!!なみに私も半熟塩コショウ派です! (2019年1月21日 15時) (レス) id: 6e47ac83d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pino | 作成日時:2018年12月27日 19時