検索窓
今日:8 hit、昨日:0 hit、合計:34,815 hit

23 side:You ページ24

.





静かな部屋の中
永遠に続くキスとリップ音が響く











力の入らない体はクタクタのまま
床に座り込んでいても倒れてしまいそうで







真司郎さんが私の腰と顎を固定して
愛を注ぐようにキスを繰り返す














息が上手くできない
キスをしながら、吐息のように吸っては吐いて





唇や舌の動きについていけずに
ただひたすらに、されるがまま













私の鼻を掠めるのは慣れすぎてしまった、彼の香り




ぐちゃぐちゃの感情を整理できずに
ただ、本能のままに彼を引き止めた












だって、彼がいなくなったら
私はどうなる?





そんな、自分のことしか考えられなくて













とうとう酸素が足りずに彼から少しだけ離れると
私を見つめる彼の目からは何の感情も読み取れない





すると、彼が私の腕を引っ張り立ち上がらせて








真司郎さんが使ってる大きいベッドへ
私の手を引き放り投げる












「...っ...待...」







そんなことを言う間もなく、彼が私の上に覆い被さる





大きな体、彼しか見えない視界
本能的に体が強ばって熱が奪われていく












あぁ、私
この男に抱かれてしまうんだと




そう悟ったこの感情の正体は
諦めか、恐怖か、絶望か

















彼は冷めたような目で私を見下ろすと
数秒、目を閉じて









真「...今日はゆっくり寝な?」









一言言い残すと、ベッドから離れて
身支度を整えると部屋から出ていってしまった















扉が閉じる音と同時に体の力が抜ける
空気を取り込んで、自分の体を抱きしめる






自分の体が震えているのに気がついたから
さらに、守るようにぎゅっと強く









「...っ...」








涙は出ないのに
息遣いはまるで泣いているように乱れて















あの人は、誰?
私は知らない






真“A”








私の名前を呼ぶ優しい笑顔が、声が
すごく好きだった
















これから私たちは、どんな関係になるのだろう



だんだんと酸素が送られて冴えてくる脳
自分が置かれている状況に鳥肌が立つ
















「(...私は...っ...)」









どうすれば良かったんだろう



















どうにか体を起き上がらせて立ち上がる
視界がゆらゆら揺れて真っ直ぐ立てない














どうにか自分の部屋のベッドに着いた頃には
意識を失うように眠りについた

24 side:You→←22 side:You



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (87 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
296人がお気に入り
設定タグ:AAA , 與真司郎
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - まってましたあああ!!本当にありがとうございます生きててよかった (2021年1月4日 13時) (レス) id: 891670169f (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 更新楽しみにしてます!Twitterとかしてますか?? (2019年12月3日 0時) (レス) id: a54df85738 (このIDを非表示/違反報告)
もなみ - 久しぶり更新本当に楽しみにしてました (2018年12月11日 0時) (レス) id: 45f78a918e (このIDを非表示/違反報告)
もなみ - いいところでストーリー終わらせますね! (2018年10月28日 20時) (レス) id: 45f78a918e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:なな | 作成日時:2018年10月28日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。