chapter11 ページ15
小五郎さんはつまらなそうに煙草を咥えて目を伏せていた。
そして私と目が合うと、そのまま暫くじーっと私を見る。
「??」
どうすればいいのか分からなくて私は頭にハテナを浮かべる
「この前から思ってたんだが、お前の顔、どっかで見たことあるんだよなぁ」
「えーっと、昨年じゃないですか?蘭の家に何回か遊びに行ってますし…」
そういうと小五郎さんはさらに頭を捻った。
「そうじゃなくてだな、なんか、もっと前に…なんかの資料で…」
その言葉に、また、ざわ、と胸騒ぎ。
「もう、お父さん!A困ってるでしょ!離れて!!」
「ぐえっ!おいコラ蘭!首根っこ掴むな!!」
勃発する親子喧嘩
ぎゃいぎゃいと大声で叫び合う2人。
仲良しでいいな、なんて思いながらも、やっぱり心の奥でつっかえてる小五郎さんの言葉。
『もっと前に資料で』
私の知らない過去。
忘れている事が多過ぎて一体何処からちゃんとした記憶があるのかも分からない。
りょーたろーならきっと知ってるだろうけど、絶対に教えてくれない
自分のことだから、知りたいな
「そろそろ行かないと間に合わなくなっちゃうよ!」
そんなコナンくんの声では、と現実に引き戻された。
「そ、そうよね!そろそろ行こっか!」
蘭もコナン君の声ではっとしたらしく、みんなで展覧会場まで歩いていった。
────────
会場に着くと沢山の人だかり。
普通に展覧会を楽しみたいと思ってきた人も居るだろうけど、多分大半は怪盗キッドが目的だろう。
それほどに若い女性の割合が多かった。
「うひゃ〜!やっぱキッド様人気だな〜〜」
目をハートにしてキラキラしている園子が可愛い
「もうちょっと前行きましょ!!」
「え」
園子が走って前の方に行ってしまった。
私と蘭も園子の後を追いかけるが、途中で園子の背中を見失い、どうしよう、と考えている内に隣にいた蘭ともはぐれてしまった。
「わ、どうしよう…」
園子が行ったであろう方向に向かってゆらゆら歩いていると、後ろから誰かにぶつかられた。
「痛っ」
「あッごめんなさい!!」
思わず尻餅をついてしまう。
ぶつかってきたのは謝罪の声からして女の子。
ごめんなさいごめんなさいと何回も謝って私の周りをウロウロしている女の子の顔を見た。
所々跳ねている黒髪に綺麗な紫色の瞳の女の子。顔がなんだか…蘭に似てる
「Aちゃんだよね?」
目の前の彼女は私の名前を呼んだ。
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玲生(プロフ) - おじさん意外とかっこよかった (2月15日 17時) (レス) @page29 id: 7f34fd14ff (このIDを非表示/違反報告)
キリン(プロフ) - 胸くそ展開すぎて好きです🫰 (7月24日 15時) (レス) @page29 id: 261e0dc8c8 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - 初コメント失礼します。文章もとても綺麗で読みやすく、最後は物語の中に入り込んだように恐怖を感じました。そしてハイブリストフィアのような闇のある作品が好きな私からすると本当に面白くて最高でした。この作品を完結させて残して下さりありがとうございました。 (2023年3月18日 17時) (レス) @page29 id: 0d9b393e0f (このIDを非表示/違反報告)
いちきちゃん - こわぁ、、神、、ありがとうございます (2023年2月22日 22時) (レス) @page29 id: bbdd29e3b1 (このIDを非表示/違反報告)
きなこmochi - 他の作品と終わり方が違くてすごく良かったです!!永遠ループというのが鳥肌がたちました。 (2021年7月10日 20時) (レス) id: e0f0f02020 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こずめ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shinkuru101/
作成日時:2017年11月4日 16時