chapter7 ―side.CONAN ページ11
もう小学生の生活にも慣れ始めてしまったある日の学校帰り。
暫く見ていない懐かしい顔を見た。
いつも通りの少年探偵団のメンバーで帰ってる時、前から歩いてきた女子高生3人組。
蘭と園子、そしてA。
Aは2年に上がってすぐに学校に来なくなった
何が理由か先生に尋ねてみても、先生らも分からないの一点張り。
そんなAの元気そうに喋る姿にほ、と安堵のため息が漏れる。
Aの姿を見た歩美や光彦は早速Aの元へ駆け寄って話しかけていた。
俺もこの姿で会うのは初めてだから、普通の小学一年生らしく挨拶をしたのだが、Aは何を思ったのか、俺に対して「工藤くん…?」と呟いたのだ。
突然の言葉に思わずヒュ、と息が漏れる。
俺の隣にいた灰原も目を大きく見開いていた。
頭が真っ白になって何も考えられなくなった。
自然と眉間にシワが寄る。
が、隣にいた灰原に小声で「江戸川くん」と呟かれて、は、とした。
「新一兄ちゃんの事知ってるの?」
なんて、急いで取り繕った。
Aは案外周りのことをよく見ている女だ。
さっき俺のことを「工藤くん」と言ったように。
周りの変化や人の態度に機敏に反応できるやつだから、もしかしたら俺の態度を不審に思ったかもしれない。
疑われたかも、しれない。
一瞬Aも怪訝そうな目を俺に向けた。
やっぱ、気付かれたかな
けど、俺は、今はあくまでもただの小学一年生だから。
お前には、まだ話せないんだ。
俺の取り繕った言葉や表情に、きちんと返答してくれるA。
だけど、蘭や園子と話してる時、時折見せる表情
俺はAとは一年ちょっとの中だが、その一年でAのことは色々知ってきたつもりだった。
だからなのか
遠くを見つめる目や顔がまるでAじゃない他の誰か、『別人』のように感じた。
Aに対する違和感が、俺の中を埋め尽くしていった。
「誰だよ、お前」
蘭たちと仲良くポアロへ向かうAに一言、言葉を漏らした。
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玲生(プロフ) - おじさん意外とかっこよかった (2月15日 17時) (レス) @page29 id: 7f34fd14ff (このIDを非表示/違反報告)
キリン(プロフ) - 胸くそ展開すぎて好きです🫰 (7月24日 15時) (レス) @page29 id: 261e0dc8c8 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - 初コメント失礼します。文章もとても綺麗で読みやすく、最後は物語の中に入り込んだように恐怖を感じました。そしてハイブリストフィアのような闇のある作品が好きな私からすると本当に面白くて最高でした。この作品を完結させて残して下さりありがとうございました。 (2023年3月18日 17時) (レス) @page29 id: 0d9b393e0f (このIDを非表示/違反報告)
いちきちゃん - こわぁ、、神、、ありがとうございます (2023年2月22日 22時) (レス) @page29 id: bbdd29e3b1 (このIDを非表示/違反報告)
きなこmochi - 他の作品と終わり方が違くてすごく良かったです!!永遠ループというのが鳥肌がたちました。 (2021年7月10日 20時) (レス) id: e0f0f02020 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こずめ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shinkuru101/
作成日時:2017年11月4日 16時