六話 ページ8
・
・
｢あっ、えーっと、�睛�Aって言います。｣
そう言うと、和樹さんは少し驚いた様な顔をして、また前を向いた
丁度青信号に変わって、車が動き出す
｢Aさん、ですか。いい名前ですね。｣
執事って言う仕事をしているだけあって、お世辞を言うのが上手いようだ。
Aはその《いい名前》という言葉をやんわりと否定した
｢そうですかー？中学の頃なんかクラスのムードメーカーが俺の名字を読み間違えて、《音梨》とか読んだんですよ。それから中3までずぅーっと渾名それだったし。｣
Aが《音梨》という名前を口にした途端、和樹さんの肩がピクッと震えた
｢え、音梨？｣
和樹さんの反応が予想外で、そう聞かれても、戸惑ってしまう
｢えっ、えっと、はい。音梨……です。｣
こういう反応しか返せない
少しの間の沈黙。
キキィーっとブレーキの音が鳴ったと思うと、いつの間にか目的地に着いていたようだ。
Aは沈黙に耐えられなくなって、急いで車から降りた
｢えっと、ありがとうございました！！｣
深々と頭を下げれば、和樹さんも運転席から降りてきて、Aに負けないくらい深々と頭を下げた
｢…いえ、こちらこそ。Aさんとお話出来て嬉しかったです。帰りも迎えに上がりますので、お仕事頑張って下さい。｣
それだけ告げて、いそいそと運転席に戻り、車を出した
もう既に見えなくなったリムジンの走っていった道を眺める
｢俺、何か変な事言ったかなぁ……。｣
何だったんだろう、あの沈黙。
もしかして、嫌われてしまったのかな？
その考えに至ってから、ブンブンと首を横に振った
駄目だ、こうやってなんでもかんでもネガティブに考えてしまうのが、俺の癖
こんな損しかない癖は早く直さなければ。
・
・
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 85人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ねお(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってください！応援してます〜 (2016年10月1日 13時) (
レス) id: 847ec38613 (このIDを非表示/違反報告)
こずめ@元チューニング(プロフ) - アナウンスさん» ありがとうございます！はい！更新頑張ります！！ (2015年9月12日 2時) (レス) id: 913a70f390 (このIDを非表示/違反報告)
アナウンス - 凄く面白いです！実況者さん大好きなので、楽しみに更新待ってます (2015年9月10日 21時) (レス) id: d03cb7f796 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こずめ＠元チューニング | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shinkuru101/
作成日時：2015年9月8日 1時
