五話 ページ7
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出た先には黒いリムジンが用意されていて、黒いスーツをビシッと決めた人がAにお辞儀をした
Aも焦ってお辞儀をする。
｢A様。こちらでございます。｣
そういってリムジンの扉を開けて、乗るように指示する
｢…じゃあ俺仕事行ってくるな。｣
｢うん！いってらっしゃい。仕事終わったら連絡頂戴ね。｣
フジは静かに微笑むと、Aの頭をしつこく撫でた
折角整えた髪がぐちゃぐちゃになった。
でも何でか怒ることが面倒臭くなって、フジに背を向けてヒラヒラと手を振った
｢わ、わざわざありがとうございます。｣
Aの為にずっと扉を開けていてくれた男性に声をかけると、優しく微笑んだ
｢いえいえ、仕事ですので大丈夫です。お気になさらず。｣
Aが乗ったのを確認した後、バタンとゆっくりドアを閉めた
そして運転席に乗り込む
Aには、その一連の動作がとてもかっこよく思えて、名前も知らない男性をとても尊敬した
名前、聞いても大丈夫かな
｢あの、お名前は、何て言うんですか？｣
顔色を伺うべく、ミラーを見たらとても驚いた顔をしていた。
名前を聞くのってそんなに珍しい事なのかな？
｢…私は細矢和樹(ほそやかずき)と、申します。｣
ミラー越しで目が合った
細矢さんはスッと目を細めた
なんだか、大人の色気っていうか、余裕っていうか
かっこいい人だなぁ…
こういう大人の人に成りたいと心の底から思った
｢そういう風に主人の客人を車でお連れする事はしょっちゅうありますが、私の名前を聞いてきた方は貴方が初めてです。｣
何だか気恥ずかしくなって思いっ切り目を逸らす
｢ふふっ。可愛らしい御方だ。｣
和樹さんがボソッと呟いた
途端、自分の顔が熱くなっていくのを感じた
うわぁ、恥ずかしい。絶対今顔真っ赤だ……！
｢か、からかうの、止めて下さいっ！｣
運転している彼の背中に怒鳴りつける
｢すいません、つい。……そういえば、貴方の名前を聞いていませんね。お聞きしてもよろしいですか？｣
ちょうど赤信号になった様で、和樹さんがゆっくりと振り向いた
少し青みがかった髪に、左目の下の泣きぼくろ。
目を細め、口角を少し上げただけで、溢れ出る色気
……少しの間、見惚れてしまった。
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ねお(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってください！応援してます〜 (2016年10月1日 13時) (
レス) id: 847ec38613 (このIDを非表示/違反報告)
こずめ@元チューニング(プロフ) - アナウンスさん» ありがとうございます！はい！更新頑張ります！！ (2015年9月12日 2時) (レス) id: 913a70f390 (このIDを非表示/違反報告)
アナウンス - 凄く面白いです！実況者さん大好きなので、楽しみに更新待ってます (2015年9月10日 21時) (レス) id: d03cb7f796 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こずめ＠元チューニング | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shinkuru101/
作成日時：2015年9月8日 1時
