十二話 ページ14
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「遅れてすいません!A、入ります！」
そう言って事務室から喫茶店の制服を着てAが姿を現すと、自分をアイドルかなにかだと勘違いしそうなほどの歓声。
「A君、今日もかっこいいー!」
自分に声援を送り続けてくる知らない女に適当に声をかける
「あれ、君昨日も来てくれたよね？嬉しいな、」
寧ろ初対面な気さえしてくる女の子
しかしこの女の子は本当に昨日も喫茶店に来てくれていたらしく、女の子は頬を赤く染めて「私のこと覚えてくれてる!」と勘違いしてはしゃいでいた。
いつもの営業スマイルでニコニコとお客さんに媚びを売っていると、後ろにいた千捺がAにだけ聞こえる声で、「性格、結構クズだよね」と声だけでも分かるくらい嘲笑っていた。
ちょっと腹立つわ。
今日バイト終わったらこの気持ちを生放送でぶつけよう。
俺のリスナーさんは俺に凄い優しいから、まるで母親のように包み込んでくれるさ……。
内心こんな事を思いながら、いつもより多いお客さんの接待に明け暮れるAであった。
───────────
カチッという音と共に喫茶店内に曲が流れる。
音を出している時計を見れば、19時を指していた。
時間が経つにつれてお客さんも減っていき、今喫茶店内にいるお客さんは僅か3人。
学校帰りの男子高校生2人と、仕事終わりの女性。
チラッと千捺の方を見れば、分かってるとでも言いたげな表情で、｢上がっていいわよ。お疲れ様｣と言って茶色い封筒を授けてくれた。
余り目立つ場所に建っている訳ではないが、ここの喫茶店は客の出入りが多い。
なので、店は小さい割に時給がいいのだ。
Aは茶色い封筒の中身を見てホオオオと奇声を上げる。
｢じゃ、俺先に帰る！じゃーね千捺｣
早く生放送がやりたい一心に千捺の返事など気にせず足早に帰路へとついた。
Aが店を出ていったのを確認した後、千捺はハアと大きなため息をつき、蹲る。
｢なんなの、今日のA……ちょー、かっこいいんですけど……｣
頬を両手で抑えて顔を隠せば、店に来ていた常連の女性にからかわれる。
｢千捺ちゃん、素直じゃないわよね〜まだ未練たらたらですぅってAくんにアタックしちゃえばいいのにぃ｣
｢も、もう！やめてくださいぃ！｣
千捺は必死に顔の赤みを抑えていた。
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ねお(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってください！応援してます〜 (2016年10月1日 13時) (
レス) id: 847ec38613 (このIDを非表示/違反報告)
こずめ@元チューニング(プロフ) - アナウンスさん» ありがとうございます！はい！更新頑張ります！！ (2015年9月12日 2時) (レス) id: 913a70f390 (このIDを非表示/違反報告)
アナウンス - 凄く面白いです！実況者さん大好きなので、楽しみに更新待ってます (2015年9月10日 21時) (レス) id: d03cb7f796 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こずめ＠元チューニング | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shinkuru101/
作成日時：2015年9月8日 1時
