16話 -轟くんの話- ページ19
初めて、恐ろしいと思った。
俺の氷を受けて、皮膚が剥がれるぞ、と忠告を受けてなお、そいつは笑って俺の氷から抜け出した。
両手は案の定皮膚が剥がれ、肉が丸見え、血も止まらず流れ続けている。
それでも、笑っているこいつが。
油断した一瞬の隙に背中に衝撃。俺は思い切り壁に打ち付けられていた。
はやすぎて、見えなかった。
なんなんだ、お前は。
背中を強く打ち付けられて立てない俺に、すぐに駆けつけ、痛かったよね、なんて声をかけてくる。
そりゃあ痛かった。
じゃあ、お前は？
お前も痛いだろ、なんて無意識のうちに出ていた言葉だった。
俺の問いに少し驚いた様子で、そいつは俺に確保テープを巻き付けながら答えた。
｢痛み、感じないんだ｣
いつも通りに笑ったこいつ。
でも俺にはなぜだか、少しだけ
ほんの少しだけ哀しそうに見えた。
お前は一体、何を抱えて生きてるんだ。
そんなこと、こいつに聞けるわけでもなく。
気付けばヒーロー基礎学は終わりを告げ、みなそれぞれ帰路に着いた。
反省会がどうとか言っていたが、面倒臭くて、俺は足早に家へと帰って行った。
｢ただいま｣
ガラガラ、と音を立てて玄関に入れば、それはそれは最悪なお出迎えであった。
クソ親父が、目の前にたっている。
これから事務所にでも行くのだろう、少し荷物を持って外靴に履き替えている所だった。普段だったら無視を決め込みそのまま自室へと直行するのだが、今日は、この男に聞きたいことがあった。
｢…なぁ、葬Aって知ってるか｣
｢葬だと？｣
｢知ってんのか｣
試しに聞いてみた程度だったが、どうやら知っているらしい。
俺が知っていることに驚いているようだった。
｢クラスメイトに、葬がいる｣
｢アイツの息子がいるのか｣
｢葬ってなんだ。何者なんだ？｣
そう聞けば、クソ親父は少し悩んで、まぁいいか、と言った。話してくれるみたいだ。
｢葬家という名家がある。何年も前から政府直属の護衛についてきた一族だ。所謂、政府の狗ってやつだな。｣
｢奴らは死なない。不死身という個性でな。その個性を絶やさないよう、代々個性婚で受け継いできている。｣
｢あの家の奴らは不気味だ。現当主である葬
｢息子が雄英に通っているという事は、
言葉が、出なかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1156人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
志貴 - とても面白いです！！まだ、Twitterやっているのであればお話しませんか！ (2019年12月29日 1時) (
レス) id: 8ad0ee779a (このIDを非表示/違反報告)
ワーカーホーリック - すごく面白いです！更新待ってます！頑張ってください\(`・∀・´)/ (2018年10月19日 3時) (レス) id: f98b79cb93 (このIDを非表示/違反報告)
アヤ@二次元最高(プロフ) - 初めまして。凄く面白いです。これからも楽しみにしてます！更新頑張って下さい！！ (2018年9月3日 2時) (レス) id: 00ac76cb71 (このIDを非表示/違反報告)
こずめ(プロフ) - 龍雅さん» ありがとうございます！夢主くん褒めて頂いて凄いうれしいです！（ ; ; ）死にすぎて死＝恐怖っていう感情が欠落しちゃってるんですよね…ヒーローに於いてはかなり有利な所ですが笑 (2018年8月29日 19時) (レス) id: 767e3f7071 (このIDを非表示/違反報告)
こずめ(プロフ) - ティッシュはマズイですさん» 中井さん＋顔面殺人鬼はもはやセットでやるしかないと思いました…後悔も反省もしていません！！笑笑 コメントありがとうございます！これからもこの作品を読んで頂けると嬉しいです！ (2018年8月29日 19時) (レス) id: 767e3f7071 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こずめ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shinkuru101/
作成日時：2018年8月23日 16時
