【名探偵コナン】不老不死になっていた件について。【男主】

FILE.34 ―side.KID ページ38

「キッド様、ありがとう！」

白い歯をニッカリと見せて可愛らしい笑顔を向けてくるAになんだか少し、安心した。

あの鈴の音がなってからAの様子がおかしくなり、Aが別人になったように感じた。
Aは何を見たのか、あの凍るような冷たい目は怪盗キッド(俺)でもゾッとする程。

まるで名探偵と同じように中身が違うようだった。

そんな顔とは打って変わって今は年相応の笑顔。頬に出来るえくぼが更に子供っぽく見せる。

(やっぱり子供はこうでなくっちゃなぁ)

いつも好戦的で俺を捕まえたくてしょうがないと言うようなギラギラとした目を向けてくる、元高校生探偵を思い浮かべながらAの笑顔を目に焼き付ける。

Aが名探偵に呼ばれて名残惜しそうに俺から離れて行った後、俺は辺りを見回した。

名探偵には咄嗟に「視線を感じる気がする」なんて言ったが気がするなんてものじゃない。

確実に見られている(・・・・・・・・・)。

どこから見られているのか、場所は特定できないが強い視線をビシビシと感じるのだ。

Aが屋上から姿を消してから視線は大分治まったので、この視線が見ていたのはAだということが分かった。

一体、何が目的で…？









「A…お前は一体何と戦ってるんだ…？」

元々から不老不死の化け物、だなんて言っていたし、Aはなにかとんでもないものに追われているのではないだろうか。

俺が言えたことじゃないけどな…

フッと自嘲気味に笑いを漏らし夜の空を仰ぐ。


天下の奇術師怪盗キッド、今回はらしくねぇ事したなぁ

よく分からない子供に深入りしすぎてしまった。









(また、会えたらいいなぁ)


なんて心の中で呟いた言葉を奥底にしまう。

建物のしたから「キッド〜〜！！」と叫ぶ中森警部を上から見下ろしながら俺は不敵に笑った。

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