【名探偵コナン】不老不死になっていた件について。【男主】

FILE.29 ―side.KID ページ33

・





・

俺のファンだという中学生を少しばかりからかっていると、俺に会えたのが相当嬉しかったらしくボロボロと両目から涙が零れ始めた。

そんなに俺が好きだったのか、と少しばかり引いてしまったが、ファンがいるのは嬉しいことだ。

目の前の少年は泣くだけ泣いて、途中で気管に涙が入ってしまったらしくゴホゴホとむせてきた。

大丈夫かこいつ



名探偵はむせている少年の事を後ろで笑っている。名探偵に人の心はないのか、、、しかも腹抱えて笑ってるし。酷いやつだな。

目の前の彼を宥めてやっていると、お願いを聞いてほしいと言われた。

まぁ俺が出来る程度の事だったら良いけど。
この子俺のファンだしもしかしたら「キスして」とか言ってくるかも…！？
それはダメだぞさすがに！！俺の唇はそう簡単に差し出せない！！

「俺を抱えて、ハンググライダーで空を飛んでほしいの！」

年相応の願い事だ。少し、かわいいと思った。

だが彼の後ろにいる名探偵は頭を抱えて苦い顔をしている。

どうしたんだ？

そして彼を抱えて空を飛ぶ準備をしていた時、彼の体を改めて見た。

彼は肌が出ているところはほとんど包帯やガーゼ、絆創膏で覆われていた。

最初はドジな性格なのだろうと思っていたのだが、自分では怪我がしにくい首や手首、足首までにも包帯がぐるぐると巻いてある。


俺が咄嗟に浮かんだ考え。






まさかこの子は、虐待をされているのでは？

その考えに至った時、この子がとても可哀想だと思った。





「可哀想だ…」


まさかそれが口に出ていたなんて思わず、目の前の彼は俺のその言葉に吃驚していた。


「なんで、そんな事言うの」



彼は酷く、傷付いた顔をしていた。

FILE.30→←FILE.28 ―side.KID

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す