FILE.15 ページ18
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俺は男と目線を合わせるように座り込んで、また微笑んだ。
そして自分の口から出てきた銃弾を彼に見せてみた。
「ね、ほら、見て。痛かったんだよ」
「あ、ぁあ、ご、ごめ、なさ……」
彼の身体は小刻みに動き始める。俺と目を合わせることができないようで左下を向きながら手を合わせて俺に謝り続けていた。
俺は彼の頭を掴んで自分に向けさせる。
「ちゃんと俺を見ろよ。お前が俺を殺したんだ。」
彼の目を見て言った。
彼の瞳はどこまで見ても真っ黒に染まっていて虚ろだった。
俺は彼の耳元に口を寄せて、囁く。
「人殺し」
その瞬間彼はあ、あ、と小さい声で呻き声を上げてそのまま後ろに倒れてしまった。
おっと、ちょっとやりすぎたかな?
「て、てめぇ!!!」
今しがた倒れた男の仲間が一斉に俺に銃口を向ける。
「…ふふ、俺を殺したらそこに倒れている彼のようになるけれど、それでもいいのなら撃ってきたまえ」
にこ、と笑った。
俺の精神攻撃に耐えられず意識を失った男は仰向けに倒れて口から泡を吹き出していた。
仲間の男達はその様子を見てうっと呻き声をあげる。
が、仲間のうちの一人は俺への殺意を更に増幅させて俺を脅し始めた。
「これ以上近付いたらてめぇを撃ち殺すからな!」
他の男達も彼の行動に驚いている。
一人は彼に向かってやめろ、と声をかけていたが彼の耳にはどうやら届かないらしい。
まぁ、俺には関係ないけどね。
だって死なないもの。
俺は少し彼に対して呆れ顔をしながら彼に近付いていく。
彼は本当に遠慮無しに俺に向かって発砲した。
その弾は俺の腹部を貫き、俺の着ている白いYシャツをじわじわと赤く染め始めた。
撃たれた腹部が、燃えるように熱い。
俺は死にはしないが、痛みを感じない訳ではない。今は痛みに耐えるのに精一杯だが、今までも何度も拳銃での死を試したからか、身体が少しこの痛みに慣れ始めているみたいだ。
慣れって怖いな。
だが俺は歩みを止めることはない。
同じ歩幅で、同じペースで、仲間の男達の元へと歩いて行く。
俺へ発砲してきた男はまた俺に向かって発砲した。
1発目は右足、2発目は右肩、3発目は左胸
全身がどんどん熱くなっていく。
俺、穴だらけになっちゃいそう
そして4発目。
パンッと顔面へ撃ち込まれた弾丸。
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きゃんさん(プロフ) - 天狐さん» 勝手に出しゃばった上に長文失礼しました。 (2018年11月2日 22時) (レス) id: aa8d471e53 (このIDを非表示/違反報告)
きゃんさん(プロフ) - 天狐さん» 不死身と不老不死は似て非なるものですよ。不死身は死にませんが老います。不老不死は老いませんが事故や病気、殺人など故意的に死ぬ事が出来ます。まぁうろ覚えなので合っているのか分かりませんケドね(*^^*) (2018年11月2日 22時) (レス) id: aa8d471e53 (このIDを非表示/違反報告)
天狐(プロフ) - あのprologueの『不死身の不老不死』って同じこと2回繰り返してますよ。 (2018年4月29日 20時) (レス) id: 40f1b1f832 (このIDを非表示/違反報告)
死の天使 - 何か……夢主クン某異能アニメの自殺マニアさん見たい……カッコいい……! (2018年3月8日 17時) (レス) id: 691cfdecc8 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ(プロフ) - こずめさん» えぇ、もうそれ最高じゃないですか、、ッアーーーーーーってところもろ夢主と同じ反応でしたありがとうございます (2017年7月13日 12時) (レス) id: 6fbc6fe145 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こずめ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shinkuru101/
作成日時:2017年3月7日 16時