真紅【短編集】

かわいい【OS】 ページ1

｢見てくれてありがとう｣




照れたように笑ってるけど…これテレビだぞ！！




ちょっと今だけ暴れさせてくれ





なんだあの可愛さ最近自分の可愛さに気づいてんだろそうでもねぇとあんなあざといこと出来ねぇよ。照れくさくて…とかあざとすぎんだろ。ワイドショー用に言ってみたけどやっぱりほんとに照れくさくなっちゃったんだろうなたぶんあのお辞儀している間に恥ずかしくなっちゃったんだよなそうだよな、だって顔上げたあとの微笑みとか…照れまくりでもう、、、とにかく可愛かったんだ






｢…なにしてんの｣



｢しょ、翔くん！？｣



おいらが心の中で翔くんの可愛さを語っていると、いつの間にか帰ってきたのか、翔くんがそこに立っていた



｢なに、百面相しちゃって、珍しい…｣



絵に描いたような苦笑いを浮かべる目の前の恋人


今まで可愛さを語ってたやつが急に目の前に現れたらどうするかってさ





…そんなの答えは一択だよな





｢ちょっ、｣



急に手を掴んだおいらに戸惑っている翔くんを引っ張って寝室に押し込む



｢ね、ちょっ、さと、んっ！｣



抵抗する翔くんの後頭部と腰に手を回して、その唇を堪能する




久々の温もりと感触に歯止めが利かなくなって、そのままベッドに雪崩込む




｢っは、急に激し、｣


｢翔くん｣





ん？、と乱れた息を整えながら上目遣いでおいらを見上げる翔くん




｢11時間お疲れ様｣




今日ずっと伝えたかったことを伝えた






｢…このタイミング？｣



くすくすとおもしろそうに、かわいく笑う翔くん



智くんらしいね、とか言いながら


｢ありがとう｣







そのまま首に腕を回して、





｢癒してよ、智くん｣






.






翔くんからのお誘いになけなしの理性なんてすぐに消えた







END

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