聖杯戦争初日 5 居候 ページ27
「びっくりよ。朝起きたらリビングがぼうぼう。張ってた結界も全部剥がされてて、魔力込めてた奥の手も盗まれてたわ。何とか火除けの魔術とセイバーの助けで逃げたけれど犯人は分からないし…、教会に逃げ込むのも考えたけど、まだ聖杯戦争を放棄したくないから仕方なくあんたのところに転がり込んだわけ。」
かなり情報量が多いが何とか理解した。つまりは眠っている間に奇襲をかけられた。しかも全く気づかないうちに…という事だろう。
「そう…、他に行く宛ても無いの?」
「…悔しいけれどね。私が聖杯戦争を続ける以上、一般の人間は頼れないし。あんたしか居ないのよ。」
「なるほどね。」
神崎は悔しそうな表情だ。成り行きとはいえ敵の、しかも仲の悪い私を頼らなくてはいけないことが悔しいのだろう。その表情を見れただけで満足だ。今回は良しとしよう。
「状況は理解出来た。いいよ。私の家しかないのなら、泊めるよ。その代わり、何を差し出せる?」
タダで泊めるわけにはいかない。泊めるからには家賃を貰わなければ。例えば…、
「諸々の生活費、聖杯戦争について私が持っている情報全て、それから貴女の陣営への不可侵条約。これでいいかしら?」
「うん、完璧。問題なし。」
「ありがとう。感謝するわ。」
改めて感謝されると、なんだか恥ずかしい。普段敵対してるのだから当然だ。
「…逃げてきたばっかりでいろいろ足りないものもあるでしょ?言ってくれれば私の従者が車だしてくれるから。」
「助かるわ。でも先に、賃料を払っときましょう。セイバー。」
「はっ。」
現れたのは紫色の鎧を身につけたサーヴァントだった。神崎が呼んだとおりクラスはセイバーだろう。澄んだ眼差しがこちらを真っ直ぐに射抜く。
「これが私のサーヴァント。見ての通りセイバーよ。真名をランスロット。湖の騎士と呼ばれた、円卓最強の騎士よ。」
「此度は我が主を迎え入れて頂き感謝致します。」
ランスロットは深々と腰を折り曲げ礼をした。あまりにも美しく真面目な所作に驚いてしまう。
「い、いえ。頭を上げてくださいランスロット卿。」
反射的に出た声は震えていた。ランスロットの持つ騎士としての風格に圧倒されてしまっている。
「では、お言葉に甘えて。マスター共々、よろしくお願い致します。」
「これでタクシー代にはなるかしら?近くのホームセンターまでお願いできる?」
「もちろん、充分だよ。」
従者の人を呼んで、神崎を店まで連れて行って貰った。
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狂弥(プロフ) - みんみさん» ありがとうございます〜!フォロー失礼しますね! (2019年9月24日 14時) (レス) id: 23f56e940f (このIDを非表示/違反報告)
みんみ(プロフ) - 狂弥さん» 了解です!それでしたらこちらのアカウントにどうぞ!@shinkisato3711 (2019年9月24日 14時) (レス) id: 5aac6cf717 (このIDを非表示/違反報告)
狂弥(プロフ) - みんみさん» コメント返信ありがとうございます!まだ未成年なので全年齢の方がいいです! (2019年9月24日 13時) (レス) id: 23f56e940f (このIDを非表示/違反報告)
みんみ(プロフ) - 狂弥さん» こんにちは!コメントありがとうございます!そんな事を言ってくれるなんて嬉しいです…!Twitterやってますよ!ほぼfateの話だけど18歳以上しか許可できない裏垢と、あまりfateの話はしないけど全年齢向け、どちらがいいですか? (2019年9月24日 7時) (レス) id: 5aac6cf717 (このIDを非表示/違反報告)
狂弥(プロフ) - こんばんは!いつも更新楽しみにしてます!質問なのですがTwitterなどはしているのでしょうか?不快でなければ教えていただけると嬉しいです! (2019年9月23日 23時) (レス) id: 23f56e940f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みんみ | 作成日時:2019年8月28日 22時