聖杯戦争前日 4 ページ14
ちなみにこの現代服。私の私服である。
ダボッとしたデザインのシャツワンピはTシャツとして、ズボンは長さはそのままにカルナに渡した。彼は脚が細いから多分入るだろう。
「しかしオレがこれらを着用する意味は無い。」
「ある。これから一緒に春崎の街を歩くんだよ?鎧着てたら目立つじゃん。」
「オレが霊体化していれば済む話だ。これは受け取れない。」
事務的で淡々とした言葉にちょっと腹がたった。私はただカルナと一緒にお散歩とか買い物をして仲良くなりたいだけなのに…!
「だめ。着て。」
「…わかった。」
カルナも私が頑固だというのを理解したんだろう。渋々了承して服を受け取った。
「よしよし、じゃあ私も外行きの服に着替えるから、ちょっと隣の部屋で着替えてくれる?」
カルナは頷くと隣の部屋に続く襖を開けた。
「終わったぞ。」
「ちょっと待ってて、もうすぐ着替え終わるから、終わったらそっち行くね。」
「どれどれ…、」
襖を開ける。うん、似合っている。シャツワンピはちゃんと長めのTシャツぽくなってるし、ズボンはアンクルパンツどころの話ではないくらいに脚が出ているがむしろオシャレに見えてくる。素材がいいからかな。
総評として…、「V系のヴォーカルを担当している大学生」に見える。
「うん!良いじゃない!!」
「この服装に意味はあるのか…?オレとしては鎧の方が…、」
「ある」
「そうか…、お前が言うならば、そうなのだろうな。」
まだ不思議そうな顔をしているが気にしない。
さて、春崎に向かうとしよう。
襖を開け、別棟の作業場の扉を叩き、従者を呼ぶ。
「白絹さん!車出してください!」
白絹さんとは従者の1人である。私が産まれる前からこの家に勤めていて、仕事が早く正確なため、若くして執事長的な役割を担っている。
「今日は随分と楽しそうですね、A様。どちらまで?」
「春崎までです!」
「あぁなるほど、偵察ですね。すぐにご用意しますので玄関でお待ちください。」
白絹さんは恭しく礼をした後、作業場に戻っていった。
白絹さんが運転手の車に乗り込み、春崎へと向かう。カルナが道を覚えやすいようになるべく真っ直ぐな大通りを選んでもらった。
カルナは道を記憶するためかじっと外を眺めている。話しかけたら応じてくれるだろうが、集中力を削いでしまったら悪い。少し黙って、私も窓の外を眺めた。
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糖度を高めたい私と恥ずかしがり屋な私が激突している…!!
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狂弥(プロフ) - みんみさん» ありがとうございます〜!フォロー失礼しますね! (2019年9月24日 14時) (レス) id: 23f56e940f (このIDを非表示/違反報告)
みんみ(プロフ) - 狂弥さん» 了解です!それでしたらこちらのアカウントにどうぞ!@shinkisato3711 (2019年9月24日 14時) (レス) id: 5aac6cf717 (このIDを非表示/違反報告)
狂弥(プロフ) - みんみさん» コメント返信ありがとうございます!まだ未成年なので全年齢の方がいいです! (2019年9月24日 13時) (レス) id: 23f56e940f (このIDを非表示/違反報告)
みんみ(プロフ) - 狂弥さん» こんにちは!コメントありがとうございます!そんな事を言ってくれるなんて嬉しいです…!Twitterやってますよ!ほぼfateの話だけど18歳以上しか許可できない裏垢と、あまりfateの話はしないけど全年齢向け、どちらがいいですか? (2019年9月24日 7時) (レス) id: 5aac6cf717 (このIDを非表示/違反報告)
狂弥(プロフ) - こんばんは!いつも更新楽しみにしてます!質問なのですがTwitterなどはしているのでしょうか?不快でなければ教えていただけると嬉しいです! (2019年9月23日 23時) (レス) id: 23f56e940f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みんみ | 作成日時:2019年8月28日 22時