苦しい日々 ページ2
「それじゃあ、ご飯ここ置いておくから。」
そう声を響かせたのはわたしのお母さん。わたしは不登校で、いつも部屋に籠っている。本当にお母さんには迷惑をかけていると思う。ご飯作ってくれるだけで本当にありがたい。いつものように扉を手が通る程に開け、手を伸ばして食事を取ると、すぐに扉を閉ざす。……いつからわたしはこんな風になったのだろうか？
――――――――――
高校に入学して一週間がたつ日のこと。わたしは一人で教室でお弁当を食べていた。
(やっぱお母さんのご飯美味しいな。いつもありがとう。)
そう思って弁当を頬張っていると、金髪の少女、麗柰が声をかけてきた。彼女は何か、詳しくは知らないけれどとても頭がいい人の一人娘らしくて、お金もそれなりに持っているらしい。
「ねぇ、そこどいて？私とこの二人で座るから」
ここはわたしの席なんだけどな……もう席も開いてないし、トイレで何か食べたくないし、どうしようと、口をモゴモゴさせていると、麗柰が声を荒げる。
「声が小さいのよ！早く！席かわって！私に逆らって良いと思ってるの！？」
そう叫んだと思ったら、その色白で傷ひとつない掌を私の頬に伸ばして、思い切り叩く。
「いた、え……、なん、え？」
突然の痛みに反応できず、声が小さく漏れるのみだった
「泣き声も小さいのね！本当に不快！不細工の癖に！目も小さいし、そばかすもあるし、肌荒れも酷いじゃない！髪もパサパサだし、何よ…あんた何か、私と劣ってる部分しかないじゃない！」そういって髪を鷲掴みにして、わたしの鞄を漁り、スマートフォンを取り出す。
「いたい！やめて！ねぇ、わたしのスマホになにするの？やめて！」
「はい、チーズ」
と上ずった声でわたしの写真をスマホで撮る。そのままスマホをいじって、わたしを思い切り投げて解放したかと思うと、顔面にスマホを投げつけられた
「なにするの……痛いよ……あ！」
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作者名：やみまつ | 作成日時：2021年9月18日 14時
