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青い、蒼い、海の中で
ずっと暮らしてきたけど。
私がそれまで経験したことのないほど
楽しい、と思える時間だった。
誰かと話すのが久しぶりだからなのか
それとも人間と話すというのが特別なのか
それともーー
「'お迎え"？」
それはひとらんに字を教えてもらっている合間の休憩の事。
『両親に言われたの。"お迎え"がくるから、それまで大人しく待っててね、って』
「その"お迎え"って、誰が来るの？何のために？」
それには私も首を傾げる。
『それが、詳しい事はわからなくて…二人に聞いても、天使様が来てくれるから、としか』
「天使…人魚は天使の使い、なんだっけ？」
『そうだよ。私も一人しか会ったこと無いんだけどね。小さい頃に、一人だけ』
天使様は私達より強い"力"を持ってて、天界と深海を自由に行き来できるらしい。
小さい頃に会った同年代の小さな天使様は、突然来て一緒に遊ぶようになり、いつしか姿を消してしまった。
彼は元気かな？
「へぇ、使いなのにあんまり付き合いは無いんだね」
『正直、私もそこは疑問に思ってたの。両親はほとんど天使様についても教えてくれなかったし…』
おかげで私の知識はほとんど本頼りであり、実際の知識がないまま。
「その、"お迎え"はいつ来るの？」
『それもわかんない…』
そう答えると、ひとらんが考えるようにうーん、と頭をひねった。
「あの、さ…いきなりだし、無理は承知で聞くね」
私が不思議そうに見ると、とても言いにくそうに、真面目な顔で
「A、陸に行ってみたくない？」
『…はい？』
何を言ってるのかわからなくて、気の抜けた声しかでない。けどそれを気にせず、ひとらんは続けた。
「その"お迎え"を待ってる間だけでいいから。地上に行けない訳じゃないんだよね？」
『それは、そうだけど…』
「だから…また会えない？」
あぁ、そっか。ひとらんにも伝えたけど、"力"が目標まで貯まりつつあるのだ。きっともうすぐで彼は、あの城に帰る。
『それ、は…』
ここは深海であり、私は人魚。
だから彼が帰れば、もう会うことは無い。
そう思ってたけど…
私だって、また会いたい。
ひとらんの話を聞いていたい、
ひとらんの笑顔を見ていたい、のだ。
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あさぎ(プロフ) - 兎さん» ありがとうございます！そう言って頂けるとなによりです、がんばります！ (2018年5月28日 18時) (
レス) id: 14bed239fb (このIDを非表示/違反報告)
あさぎ(プロフ) - お餅さん» ありがとうございます、wrwrd!の皆さんのかっこよさが引き出せていたなら嬉しいです…！ (2018年5月28日 18時) (レス) id: 14bed239fb (このIDを非表示/違反報告)
兎 - 面白い！更新頑張ってね〜 (2018年5月27日 16時) (レス) id: 35388e6f70 (このIDを非表示/違反報告)
お餅 - 面白いですね！みんなかっこいい...これからも更新頑張ってください！ (2018年5月21日 18時) (レス) id: 8d87a6fb69 (このIDを非表示/違反報告)
あさぎ(プロフ) - CAさん» ありがとうございます！更新ゆっくりで申し訳ないですが、そう言って頂けると、とても励みになります…！ (2018年5月21日 1時) (レス) id: 14bed239fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あさぎ
作成日時：2017年8月30日 18時
