6-4 ページ25
・
私たちが連れてこられたのは、閑散とした路地の先にある古びた倉庫だった。
私たち三人は後ろ手に縛られ、その前に十数人もの不良が立つ。
「おまえどっかで見たことあると思ったんだけどよ、これおまえだろ？」
そんな私たちに不良がガラケーで見せてきた写真は、過去の神崎さんの姿だった。髪を茶色に染め、ゲーセンに出入りしている写真は今の姿とは程遠い。
「まさかあの名門中の生徒だったとはね〜。でも俺にはわかるぜ。毛並みの良い奴等ほどよ、どこかで台無しになりたがってんだ」
不良は神崎さんに臭そうな口元を近づけて言う。
「これから夜まで、台無しの先生がなにからなにまで教えてやるよ」
ていうかこの不良、普通に盗撮してるのか。最悪だな。
・
「……さっきの写真。真面目な神崎さんにもあんな時期があったんだね。ちょっと意外」
カエデが神崎さんの方を向く。
神崎さんはぽつりぽつりと話し始めた。
親から良い成績と態度を期待されていたこと。窮屈になり、場所も格好も変えて遊んでいたこと。
「……バカだよね。遊んだ結果得た肩書は、エンドのE組。……もう自分の居場所がわからないよ」
神崎さんにかけられる言葉はなかった。
カエデと私が黙りこくっていると、不良がまたもや近寄ってくる。
「俺らと
「……さいってー」
小さくカエデが呟く。
不良の顔面から下卑た笑みが消えて、腕が動く。カエデに掴み掛かろうとしている。
…………私が、守らなきゃ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 76人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
千々(プロフ) - 花游さん» ああ！ 同志が！ 同志がいる！(感涙) とても嬉しいです！ ありがとうございます！ 本当にこの物語は二代目のために書いているようなものなので……最後の最後までぜひぜひお読みいただければと思います！ 絶対に後悔させませんので！ (3月17日 16時) (
レス) id: 1d9d509371 (このIDを非表示/違反報告)
花游(プロフ) - 本当に、本当にありがとうございます……二代目さんの夢女なので命が助かります……！！（ ; ; ）応援しております！！ (3月17日 15時) (レス) @page22 id: 4e8b8c9da9 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - 棗さん» コメント、モチベになるので本当に嬉しいです！ ありがとうございます！ 続きもぜひぜひ楽しんでいただければと思います！ (3月12日 18時) (レス) id: 1d9d509371 (このIDを非表示/違反報告)
棗 - とっても面白かったです！続きを楽しみに待ってますっ((o(´∀｀)o))ﾜｸﾜｸ (3月12日 16時) (レス) @page8 id: d1397bd03f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：千々 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/tidierika2/
作成日時：2024年3月9日 17時
