Story3 その執事、万能 ページ35
Aの誘拐事件も一段落をつき、日常へと戻ってきたシエル達一同は、相変わらず賑やかな日々を過ごしていた。
「ぎぃぃぃやぁぁぁ！！」
ーガラガラガラッ！ドンッ！
「うわっ！」
ーガッシャーン！！
「ぐあっ！アチチチチッ！！」
何故かワゴンの上に乗り、廊下を爆走していたこの執事は、マダム・レッドの執事グレル・サトクリフである。爆走したワゴンは、フィニに正面からぶつかりその上に乗っていた紅茶がフィニの服にかかった。
「…あっ！申し訳ありませんっ！！今拭きますからっ(ガッシャーンッ！)うわぁぁっ！」
「はぁ……」
「坊ちゃん、こんな使えねぇ野郎、どうして預かったんです？」
「お前が言うか…はぁ…計算違いだったな」
シエルは、ため息を零しながら、バルドの発言にツッコミを入れる。何故、このダメ執事をファントムハイヴ邸に置く事になったのかは一時間前に遡る…。
・
・
「ねぇシエル。うちのグレルちっとも使えないのよー。セバスチャンに執事として鍛えてもらえないかしらぁ？お礼はたっぷり弾むからっ、ねっ♡」
「あぁ、分かった」
「それと、Aちゃんも一日借りていいかしら？同じ医師同士、ちょっと積もる話したいから」
「えっ…私はシエルの元を離れる訳には…」
「僕は大丈夫だから、行っていいぞ」
・
・
「面倒を被るのはセバスチャンだけで、こっちにまで実害はないと思ったが…」
「ほっほっほっ…」
頭を抱えるシエルをよそに、相変わらずいつものようにタナカは茶を啜っていた。
「本当に、申し訳ありません。皆さんに迷惑をお掛けして…ここはっザックリキッパリﾀﾋんで…ﾀﾋんでお詫び致しますぅ！！」
「おいっ！早まるんじゃねぇ！」
「いっ…いつの間にナイフが…？」
グレルの行動に、慌てて止めようとするバルドと突然、懐から出てきたナイフに疑問の表情を浮かべるメイリン。刃を今にも自分の首に突き立てそうなグレルの肩に、セバスチャンはそっと手を置く。
「死なずとも結構ですよ。血液が辺りに飛び散ると、更に後片付けが大変ですから」
「セバスチャンさん…なんとお優しい」
「優しい…か？」
どう捉えても、ファントムハイヴ邸が汚れるからという理由でグレルを止めたとしか思えない使用人達はグレルの優しい発言を真っ向から否定した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 168人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
理音(プロフ) - 続き気になります！更新楽しみにしています！応援してます！！ (2023年2月9日 13時) (
レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
アステル(プロフ) - Pirateさん» ご指摘ありがとうございます。すみません…今の見ると夢主ちゃんがどこぞの別次元から来たキャラみたいになっていますね。後々から黒執事の世界観に繋がるようになる予定なので、暖かく見守ってくれると嬉しいですm(__)m (2018年9月21日 21時) (レス) id: 157362e7ce (このIDを非表示/違反報告)
Pirate - 想像…いや妄想か。発想力は素晴らしいと思う…けど、原作の雰囲気をちょーっと壊しかけてるね。頑張れ (2018年9月21日 21時) (レス) id: be72be37f0 (このIDを非表示/違反報告)
アステル(プロフ) - 白桜姫さん» コメントありがとうございます！そう言って貰えると、とても嬉しいです(´∇｀) (2018年9月1日 0時) (レス) id: 157362e7ce (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 続き楽しみにしてます。（＾ω＾） (2018年9月1日 0時) (レス) id: feb278e6cf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アステル | 作成日時：2018年8月29日 14時
