still【石川慎吾】 (ページ6)

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「『うわぁーーーーー』」

この瞬間。私は昔から球場に入るこの瞬間が大好きだった。

このウキウキ感はどこの球場でも同じなようだ。

そして私たちは席に着いた。

近い。想像以上に近い。もう選手そこじゃん！

若菜「めっちゃ近いね！これなら絶対勇人くんと目合うよぉーーー。あ、でもボール飛んできそーで怖いからその時はA、よろしくね。」

『やだよ。なんで私があんたのために命張らなきゃいけないのよ』

若菜「あっっ！！見てみて！！めっちゃ近くに来てるよ！！あれ勇人くんじゃない！？」

『あぁー。ほんとだね。』

若菜「ちょっとー。なんでそんなに興味ないのー？」

『私は試合を見に来たの。そもそもそんなカッコいい人いるー？試合で打ってカッコいいとかはあるけど今は練習じゃn、、、、、』

え。。。誰だろうあの人。

背番号３６。

３６の人と目が合った。紛れもなく。

なんだろうこの感覚。

今まで味わったことのないこの感情。

目を逸らそうと思っても何故かそらせない。

そして向こうも間違いなく私を見ている。

やばい。どーしよ。やっぱり若菜に言われた通り、こんな格好で来たのが良くなかったのかなぁ。
ダサいよね。１人だけ浮いてるよね。
だからきっとこんなに見られているんだ。

でも何故だろう。

今まで出会ってきた男性とは何かが違う。

も、もしかして________________恋？

な、なわけない。ないない。絶対ない。

何言ってんの私！相手はプロ野球選手だよ？

ありえない。

でもそれからというもの、私は３６の人から目が離せなかった。

若菜「おーーーーい。A！！おーーーーい！！」

『わぁ！若菜、どーしたの？』

若菜「それはこっちのセリフ。なにボーッとしてんの？あー！もしかしてもう私が言った通りになっちゃたとかー？」

『な、なに言ってんの！？んな訳ないじゃん！！』

若菜「あらあらAさん。もしや図星では？」

何言ってんのコイツ！！

あーーー。もう早く試合始まんないかな。