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青side
あの日笑って手を差し伸べてくれた彼は
「大倉！」
もういなくなってしまうのだろうか。
ガシャン、という今まで聴いたこともないような大きな音がした。目を開けるとトラックは信号機にぶつかってて運転席の方はぺしゃんこ。そのすぐ近くには身体を力なく投げ出した大倉が倒れていた。
目に映る衝撃的なシーンに、思わず吐き気がした。思考が停止する。どうすれば、どうすればいい。大倉は……大倉はもう助からへんの？
｢…っ、大倉！｣
立ち上がって大倉の近くに走り寄る。大倉はぐったりと目を閉じていて、それでも俺が来たと分かると、辛そうに目を開けた。
｢お、くら、おおくら、死なんといて…｣
どうして今まで忘れていたのだろうか。みっともない自分に手を差し伸べてくれて、きらきらとした眩しい笑顔で笑って、僕を助けてくれたのは、他でもない彼なのだ。
｢俺、思い出してん。大倉…だから置いていかんとってっ……俺を置いていかんとって！｣
涙が溢れる。視界はぼやけるけど、握った大倉の手は離さなかった。大倉も弱い力で握り返してくれる。
｢やす…。おれ、ヤスと会えてよかった。ヤスはさ、おらんくていい存在、なんかやないで…｣
｢何言ってんの…っ｣
やめて、やめて欲しい。これじゃまるで、大倉が死んでしまうみたいじゃないか。
｢やから俺がおらんくても、ヤスはそのままでいて……｣
｢おおくら｣
｢あと俺が死ぬんはヤスのせいやないからっ…｣
｢やめてや……っ｣
目の前の大倉が優しく微笑む。そっと手を伸ばして、綺麗なその指で俺の涙を拭ってくれた。
｢大倉｣
｢……？｣
｢俺大倉のことめっちゃ好き。こんな俺に優しくしてくれて、笑いかけてくれて。付き合ってくれて……｣
大倉がいたから出来たことが沢山ある。
｢こんなに人を好きになったん初めてやねん……やから大倉、いかんとって……っ｣
いつもの様に抱きしめてくれる人はもういなくなってしまう。俺のことを守ってくれる人も、深く愛してくれる人も……。
｢やす｣
｢何……っ？｣
｢俺これからも、ヤスのこと世界で一番愛してるで｣
そこまで言って、大倉の目は閉じた。
大倉がいたから出来たことことが沢山あった。楽しい時間も過ごせた。きっと今までもこれからも、大倉以外の人を好きになることはないと思う。でもそれでいい。それでいいのだ。
動かなくなった大倉にそっと口付ける。
彼は確かに生きていた。
Fin
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ぽっぷん(プロフ) - みいこさん» 倉安でしたら大丈夫です！ノロノロ更新なんですが、楽しみに待って頂けると幸いです。リクエストありがとうございます！ (2016年6月22日 23時) (
レス) id: e50920231f (このIDを非表示/違反報告)
みいこ(プロフ) - 間違えました>_<倉安と打ったつもりが…。すみません。倉安の絆系でお願いできますでしょうか？よろしくお願いいたします！ (2016年6月22日 23時) (レス) id: 20152d3f2f (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぷん(プロフ) - みいこさん» コメントありがとうございます。リクエストのことなのですが、倉安短編集なので倉丸のリクエストをお受けすることができません。本当に申し訳ないです(´；ω；｀) (2016年6月22日 23時) (レス) id: e50920231f (このIDを非表示/違反報告)
みいこ(プロフ) - 更新楽しみにしていました^ ^倉丸の絆系のお話を読んでみたいです。これからも応援しています！更新楽しみにしていますので頑張ってください！ (2016年6月22日 23時) (レス) id: 20152d3f2f (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぷん(プロフ) - みぃさん» ありがとうございます！リクエストのお話もう少しお待ちください(；´Д｀) (2016年5月7日 21時) (レス) id: e50920231f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽっぷん | 作成日時：2015年2月16日 20時
