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青side
大倉くんが屋上に来るようになってから、数日が過ぎた。俺の話を嫌な顔一つせず聞いてくれて、とつぜん現れた人物に変わりはなかったのだけれど、嫌な思いは不思議となかった。
…話していて、ふと気になったことがある。
大倉には恋人がいるのだろうか。端正な顔立ちで、手足も長くて、口調も優しい。恋人の一人や二人くらい、おっても何もおかしくない。まだ会って間もない人にする質問やないということはわかっている。ただ、何となく気になった。
「大倉はさぁ、彼女とかおらんの？」
俺がそう尋ねると、大倉の顔が曇った。
「彼女？何で？」
「いや、何となく気になっただけやけど…」
「ヤスは？」
「え？」
一瞬思考が停止する。
恋人……？
「ヤスは恋人おったことないん？」
恋人。俺の、恋人。人生の中で一度もできた覚えはない。だって俺こんなに虐められてて。皆から嫌われてて…。誰も話しかけてくれた人なんて。
そこまで考えて、激しい頭痛に襲われる。痛い、頭の奥が痛い。深いところが、ズキズキと痛む。神経が焦げ落ちてしまいそうな痛み。目の前が真っ白になる。
…俺、何か忘れてる？
「ヤス」
「おおくら…？怖い、何かこわいよぉ…どうしよ、大倉おれ、」
「…大丈夫やから。なぁ、今日は一緒に帰ろ？家まで送ったるわ」
頭を撫でられ、手を引かれる。大倉の顔は見れへんけど、なぜか焦っているような気がした。
∞
「…何か俺、大事なこと忘れてる気がする」
橙色に染まる空の下で、大倉に手を引かれ歩く。
一人で帰るのは慣れてるけど、こうやって知り合いと帰るのは久しぶりやった。
…知り合い？
「大事なことって？何忘れてんの？」
大倉は振り向いて俺に尋ねた。わからへん、何を忘れてんのかわからへん。やから怖い。何か、大事な記憶だけすっぽりと抜かれたような気持ち悪さを感じる。
「わからへん」
わからへん？ほんまにわからへんのかな？俺思い出せそうな気がする。答えがすぐそこまで出てる気がする。
夕焼け、二人の帰り道。手を引かれて送ってもらってる。誰かが振り向いて笑ってる。
頭の中で何かが繋がる、そうや思い出した。
おおくら、大倉は。俺の…。
先に横断歩道を渡る大倉の背中を追う。早く行かないとどこかに行ってしまうような気がした。
「…おおくら、大倉って俺の」
恋人やんな？
口から出た叫び声は、クラクションの音に掻き消された。
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ぽっぷん(プロフ) - みいこさん» 倉安でしたら大丈夫です！ノロノロ更新なんですが、楽しみに待って頂けると幸いです。リクエストありがとうございます！ (2016年6月22日 23時) (
レス) id: e50920231f (このIDを非表示/違反報告)
みいこ(プロフ) - 間違えました>_<倉安と打ったつもりが…。すみません。倉安の絆系でお願いできますでしょうか？よろしくお願いいたします！ (2016年6月22日 23時) (レス) id: 20152d3f2f (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぷん(プロフ) - みいこさん» コメントありがとうございます。リクエストのことなのですが、倉安短編集なので倉丸のリクエストをお受けすることができません。本当に申し訳ないです(´；ω；｀) (2016年6月22日 23時) (レス) id: e50920231f (このIDを非表示/違反報告)
みいこ(プロフ) - 更新楽しみにしていました^ ^倉丸の絆系のお話を読んでみたいです。これからも応援しています！更新楽しみにしていますので頑張ってください！ (2016年6月22日 23時) (レス) id: 20152d3f2f (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぷん(プロフ) - みぃさん» ありがとうございます！リクエストのお話もう少しお待ちください(；´Д｀) (2016年5月7日 21時) (レス) id: e50920231f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽっぷん | 作成日時：2015年2月16日 20時
