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重い足を無理やり動かして階段を登る。
屋上まで、あともう少し。
∞
大倉の葬儀は、生前の彼に似ても似つかへん、曇り空の日に執り行われた。僕は中々勇気がわかんくて、朝食も食べずに、ずっと部屋で天井の一点をじっと見つめていた。そうしていたら何かが変わるとか、別にそんなわけや無いけど、どうにか自分を落ち着かせようとしているみたいやった。
大丈夫、自分はまだ正常や。
……でも僕の中では、まだ大倉は生きてる。ヤス、って言って笑ってる。
……分かっている、こんな思考に陥っている時点で、僕はもう正常じゃない。はぁ、と深く溜息をついた。頭の中にはまだあの光景が残っている。
じりじりと燃える太陽と風一つない屋外。耳をつんざく様なブレーキとクラクションの音、周囲から聞こえるどよめきの声。目の前でピクリとも動かへん恋人と、泣き叫ぶ僕。一言で表すと、そこは地獄やった。
思い出すだけでも吐き気がする。気分転換に外に出ようと思い立ったけど、あの太陽を見たらまた思い出すんやろう。そんで、また自分がおらんくなったらええのに、って考えるんやろう。
ベッドから降り、カーテンを開ける。眩しい日差しに目を細めた。…休み中はずっと外に出ていない。明日からは学校や、考えてから頭を抱え込む。どうせ行ったところで、クラスメイトは僕を責める。大倉が死んだんは、全部僕のせいやって、その理由でまたいじめる。まぁ、皆の言うことは何にも間違ってないんやけどね。
考えれば考えるほど、自分の存在が下等に思えてくる、はよ死ねばええのにな。…まるで他人事みたい。自然と笑いが溢れた。
もし、もし俺がおらんかったら、大倉は学校に行って、授業を受けてたんやろう。クラスメイト達と笑いあって、帰ったら温かい家族が迎えてくれて、ご飯を食べて、寝て…そんな普通の日常が送れていたんやろう。
もし僕がおらんかったら。
大倉は、まだ先があった長い人生を、家族や友人、そして自分の為に使えていたはず。僕の為に、…いや、僕のせいで死んで欲しくなかった。
｢おおくら…｣
目に掛かった前髪をはらう、そういえばこの前大倉に髪の毛明るい方が似合うって言われたっけ。もうそれを試すこともなくなるんやろうけど。
部屋にある小さいテレビをつける、夕方のニュースでは若いアナウンサーが淡々と事実だけを伝えていた。そうやんな、どうせこの人らには他人事やもん。
もう一度深いため息をついて、枕に顔を突っ伏した。
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ぽっぷん(プロフ) - みいこさん» 倉安でしたら大丈夫です！ノロノロ更新なんですが、楽しみに待って頂けると幸いです。リクエストありがとうございます！ (2016年6月22日 23時) (
レス) id: e50920231f (このIDを非表示/違反報告)
みいこ(プロフ) - 間違えました>_<倉安と打ったつもりが…。すみません。倉安の絆系でお願いできますでしょうか？よろしくお願いいたします！ (2016年6月22日 23時) (レス) id: 20152d3f2f (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぷん(プロフ) - みいこさん» コメントありがとうございます。リクエストのことなのですが、倉安短編集なので倉丸のリクエストをお受けすることができません。本当に申し訳ないです(´；ω；｀) (2016年6月22日 23時) (レス) id: e50920231f (このIDを非表示/違反報告)
みいこ(プロフ) - 更新楽しみにしていました^ ^倉丸の絆系のお話を読んでみたいです。これからも応援しています！更新楽しみにしていますので頑張ってください！ (2016年6月22日 23時) (レス) id: 20152d3f2f (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぷん(プロフ) - みぃさん» ありがとうございます！リクエストのお話もう少しお待ちください(；´Д｀) (2016年5月7日 21時) (レス) id: e50920231f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽっぷん | 作成日時：2015年2月16日 20時
