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｢亮、｣
亮ちゃんが来たことによって、ヤスは、酷く安心した顔をして、息を吐いた。
｢……大倉、何してんねん、その手はなせや｣
鋭い目付きで睨まれて、手をはなすように促される。捕まれた肩がじんじん痛む。
｢章ちゃん、大丈夫？｣
俺が力強く掴んでたせいで、ヤスの細い腕は、痕が残ってしまっていた。亮ちゃんは優しくいたわるように、そっと指先でその痕をなぞった。｢可哀想｣と呟きながら。
俺は二人を見て、恋人みたいだ、と思った。
怪我をさせられた彼女を、彼氏が心配してる様にしか見えなかった。
二人が恋人だとしたら、ヤスについていた赤い痕も、亮ちゃんがこんなに心配しているわけも、全部納得がいく。
｢ごめん章ちゃん、スタジオに忘れ物したから、先に下降りといて｣
｢…ん、わかった。待ってる｣
亮ちゃんは、忘れ物をしたことを告げると、恋人に先に行っておくように促した。ヤスは納得して、こっちを見向きもしないで、そそくさと楽屋を出ていった。
亮ちゃんはヤスが出ていくのを見届けると、俺に話しかけた。
｢お前、章ちゃんのこと好きやろ｣と。
亮ちゃんは俺の携帯を指差して、電源を付けるように促した。昨日から全く触っていない携帯は、充電が100％のまま。ロックを外し、液晶画面を見た。妙に眩しく感じて、目を細めてしまう。
通知を見ると、亮ちゃんからメールが来ていた。メールなんて珍しい、いつもはLINEのはずやのに。
亮ちゃんからのメールを見た。件名も文もない、たった1枚だけ画像が添付された、至ってシンプルな内容だった。画像をタップして、驚愕した。一瞬だけ、心臓が止まった様な気がした。
｢何、これ｣
震える声で亮ちゃんに問う。亮ちゃんは、俺の前で笑っていて、背筋がぞくりと震えた。
｢章ちゃんのこと、好きって気付いた所で悪いんやけどさ…俺達、付き合ってるから｣
せやから邪魔すんなよ、と亮ちゃんが言う。 俺にとっては衝撃的な内容なはずやのに、自分でもビックリするほど、亮ちゃんの言葉はすんなりと頭に溶け込んでいった。
｢ごめんな、大倉｣ 亮ちゃんの口許が弧を描いた。的な目で俺に笑いかける。
我慢しないと、今にも涙が溢れ落ちてしまいそうやった。俺がもっとはやく気づいてれば、亮ちゃんに奪われずにすんだかもしれんのに。
亮ちゃんは、また明日、とだけ告げて、楽屋を出ていった。
あの鮮やかな赤い痕だけが、頭の奥にこびりついて、いつまでも離れへんかった。
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ぽっぷん(プロフ) - みいこさん» 倉安でしたら大丈夫です！ノロノロ更新なんですが、楽しみに待って頂けると幸いです。リクエストありがとうございます！ (2016年6月22日 23時) (
レス) id: e50920231f (このIDを非表示/違反報告)
みいこ(プロフ) - 間違えました>_<倉安と打ったつもりが…。すみません。倉安の絆系でお願いできますでしょうか？よろしくお願いいたします！ (2016年6月22日 23時) (レス) id: 20152d3f2f (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぷん(プロフ) - みいこさん» コメントありがとうございます。リクエストのことなのですが、倉安短編集なので倉丸のリクエストをお受けすることができません。本当に申し訳ないです(´；ω；｀) (2016年6月22日 23時) (レス) id: e50920231f (このIDを非表示/違反報告)
みいこ(プロフ) - 更新楽しみにしていました^ ^倉丸の絆系のお話を読んでみたいです。これからも応援しています！更新楽しみにしていますので頑張ってください！ (2016年6月22日 23時) (レス) id: 20152d3f2f (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぷん(プロフ) - みぃさん» ありがとうございます！リクエストのお話もう少しお待ちください(；´Д｀) (2016年5月7日 21時) (レス) id: e50920231f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽっぷん | 作成日時：2015年2月16日 20時
