第30夜 ページ31
＊
「Aの件なのですが...開墾予定地で先に働きたいようです。そこで、本人の意思を尊重すると共に...我々のためにも、所属が描かれていない団服で赴いてもらおうと思うのですが」
いかがでしょう、と問おうとした彼の言葉を遮るように、男は立ち上がる。
「___俺は辞任する」
「...は？」
「これからは、お前が団長だ」
＊
Aが半日かけて部屋の掃除(ついでに廊下もやらされた)を終えた翌日。
ある一報が届いた。
『...え、辞任？』
「うん...」
すっかり綺麗になったAの個室にやってきたのはハンジだ。気落ちした様子で、先程から部屋の隅っこでキノコ栽培をしている。
『...てことは、次の団長は...エルヴィンさん？』
「うん、そう...」
『...そんな感じの雰囲気あったもんね...』
「うん、そう...別にエルヴィンだと嫌なわけじゃないよ？寧ろ頼もしいさ」
でも...とまた項垂れた。生えているキノコを取り払うように、Aはハンジの頭を撫でる。
ここで彼女は朝一番の違和感に気付いた。
『...リヴァイさんは？』
「あぁ、それなんだけどね」
幾分か声の明るくなったハンジ。何気に今日初めて目が合った。それ程落ち込んでいたらしい。
「出世したよ。兵士長っていう特異的なポストが設けられたってさ」
『兵士長...』
慣れない呼び名を反芻したところで、ハンジが重い腰を上げた。
「...そろそろ朝礼が始まる。そこで正式に発表だろうよ。行こう」
『...うん』
＊
案の定、団長の交代とリヴァイの兵士長就任が伝えられた。
兵士同士で既にこういった考察がされていたため、驚きこそしたものの、騒ぐ者はいなかった。
リヴァイも兵士長という初の役職を務めるにあたり、色々忙しいようで、
「ハンジ、コイツのお守りは任せたぞ」
「う、うん」
『...お、お守り...』
この時のAの顔は、捨てられた仔犬のようだったbyハンジ
そして現在、朝の食堂に至る。
早速団の体制が変わって戸惑うAと、ショックで気力が無いハンジ。2人の座るテーブルは、当然無言だった。そこで聞こえてくるのは、団員達の噂話。
いつの時代もどの世界も、みんなやっぱり好きだよね...と思いながら、Aはハンジの様子見をしつつ彼らの話に耳を傾けた。
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練紅龍(プロフ) - らんまるさん» ひぃぃありがとうございます！嬉しくて動悸が...！コツコツでもなんでも頑張ってくっきゃないですね！(｀ω´) (2019年6月17日 21時) (
レス) id: 308444a36a (このIDを非表示/違反報告)
練紅龍(プロフ) - かまぼ子さん» ありがとうございます！キノコはそこらじゅうに生えてます。その一部の頭に生えていた分をとりました|彡ｻｯ！ (2019年6月17日 21時) (レス) id: 308444a36a (このIDを非表示/違反報告)
らんまる - こういうのを誰かやってくれると思ってました。想像以上に面白くて更新が楽しみで仕方ありません。ゆっくりまったりお待ちしておりますので、これからも頑張ってください！(*^^*) (2019年6月16日 22時) (レス) id: 1ad8a87860 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼ子(プロフ) - ハンジとの絡みがかなりハマりました。きのこは頭に生えてる感じでしょうか？更新楽しみにしてます^o^ (2019年6月16日 20時) (レス) id: 48e845b0f0 (このIDを非表示/違反報告)
練紅龍(プロフ) - 桔梗さん» とても嬉しいです！ぼちぼち更新ですが、励みになります。 (2018年10月16日 22時) (レス) id: 308444a36a (このIDを非表示/違反報告)
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