普通以上普通未満の生活 (ページ33)

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菊池風磨ページ33

「え？田中さんいないんすか？14時から打ち合わせ入れてるはずなんですけど」

「申し訳ございません。ただいま田中は立て込んでおりまして、代わりの者が担当いたしますので先にお部屋でお待ちください。」

通された会議室で、まじか、と森本さんと顔を見合わせていると、部屋のドアがバンっと開き、すらっとした人が立っていた。

「慎太郎ごめん！！今樹さ、手が三本あっても足りねぇ状態なのよ。で俺が代わりに来た。」

「風磨！全然いいのよ！樹によろしく言っといて！新人の引き継ぎだけだからさ、今度また一緒に来るわ！一応これから会う機会が増えてくるから。この子が新人の子。『AAです。』うちの期待の新人だから、優しくしてやれよ。」

「お、キラキラ社会人だね。本来の担当は田中ですけど、俺は菊池風磨です。何かと会うかもしれないからよろしくね。」

その後引き継ぎや案件の説明は案外あっさりと終わり、話題は田中樹という人のことになっていた。

『田中樹さんってどんな方なんですか？』

「うーん、Aちゃんの事は気に入りそう」

「お前俺の後輩勝手に呼び捨てにすんなよ。まぁ、樹は良いやつだから。気にしなくても大丈夫だと思うよ」

『そうですか。早く会ってみたいです！田中さん。』