2時間だけのバカンス #2 (ページ46)

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繋がる糸ページ46

ゴーンゴーン

鐘の音が鳴り響く純白の教会

鏡の前でウエディングドレス姿の自分を見る。

まるで自分じゃないみたい。

「綺麗じゃないA！！あーん私も結婚したい！！」

『あき子も告白されたんでしょ。結婚式の時は私も呼んでよ』

「もちのろんでしょ」

「それにしてもAが結婚か～。しかもお相手はあの京本様でしょ～…玉の輿じゃない！！」

あき子ときく子からねぎらいという名のからかいを受けている中、扉の向こうがやかましいのを感じる。「押すなよ」とかなんとか。

「なにかしら、騒がしいわね」

ちょっと見てくる、と扉を開けた瞬間、大我さんが飛び出してくる。

「うわっ！！ごめんAちゃん！！」

『大我さん！！』

真っ白なタキシードに身を包む大我さんはどこかの国の王子様みたいで美しい。

『大我さん、めちゃめちゃかっこいいです』

「Aちゃんも、すっごく綺麗。一人占めしたいくらい」

そう言うと大我さんは私の頬に手を伸ばし、唇が引き寄せ合うように近づいていく。

「お熱いね～お二人さん」

！？

驚いて大我さんも私も思わず密着していた体を離す。忘れてた、あき子ときく子がいたんだった！あれ？でも今の男の人の声だったような…

するとバン！と扉が開きぞろぞろと大男が入ってくる。

「見違えるもんだな、あのAが結婚だなんて」

「もっと早く教えて欲しかったよ！大我と結婚するなんて！DAHA」

「Aさん、綺麗だよ」

「Aちゃん、きょもと幸せになるんだぞ！」

「Aちゃん、おめでとう」

慎太郎とジェシーに松村さんと田中さん。それから高地先輩まで！

『ありがとうございます、私が大我さんを幸せにします。』

「ひゅ～！頼もしい！」

田中さんが冷やかしたところで、式場の人が「そろそろ」と時間を促す。

「は～い」とみんなが部屋から出ていく。最後に出ていこうとしていた慎太郎がこちらにふり返った。

「おめでとう、幸せになれよ」

『うん。いっぱい相談にも乗ってくれてありがとね。良い友達持ったわホント。』

はは、じゃあな！と手をひらひらとさせて慎太郎は出ていく。

「なに～結婚式の日に浮気～？」

後ろから大我さんが私の肩に顎を乗せて聞いてくる。

『そんなわけないじゃないですか。』

「ふふ、知ってる」

そう言うと大我さんも式場の人に言われて部屋を出る。

「また後でね」

『はい』