2時間だけのバカンス #2 (ページ5)

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ビンゴページ5

side:大我

海外ではたくさんのことを学んだ。

本場の経営学に、マーケティング術、MBAの取得。

現場で学んで肌で感じた。

慣れない言語と文化。

思っていた以上に大変だった。

2年ぶりの日本。

久々に顔を合わせた父と母は嬉しそうにしていた。

今度業務提携先の会社に挨拶をしに行くことになった。

その会社の名前を見て思い出す。

そう言えばAちゃん、芳名帳の上にその会社の名前書いてた。

もしかしたら会えるかも。

挨拶の日になると、意識していなくても自然と期待に胸が躍るのを感じる。

会社に入れば、あれよあれよと事が進んでいく。

昼の間に、自分の話じゃない時を見計らってこっそりとその場を抜け出した。

そこら辺にいた男の人に、Aちゃんがどこに行くか聞く。

首からぶら下げている社員証には、松村と書かれていた。

それがビンゴで、ちょうどAちゃんの知り合いだった。

地下の備品庫に行ったらしい。

なんでそんなとこにいるんだろう。

エレベーターで地下まで潜り、備品庫というプレートが掲げられた部屋に入る。

中へ進むと、会いたいと待ち焦がれたAちゃんが、机に突っ伏して眠っていた。