すれちがい ページ37
side:大我
夜になりかけて太陽の赤に染まった街を、俺は走っていた。
樹からの慌てた電話を思い出す。
”きょもごめん！さっきAちゃんの元カレと久々に話したんだけど、やばいかもしれない！！きょもの予想通り付きまとってるかも！”
思い出話のついでにそれとなく聞くと、まだ執着している素振りを見せていたらしい。
Aちゃんの電話も繋がらない。
すると握っていたスマホが震えるのを感じた。
表示画面には”樹”
_________________________________________
side:樹
この間きょもとおでんの屋台で話したことを思い出し、なんとなくAちゃんの元カレである高木に電話した。
思い出話に花が咲くついでに、Aちゃんの話を聞いてみる。すると、「なんか彼氏できたっぽいんだよね、最近部屋にも戻ってきてないし。」と電話の向こうでしゃべる高木。
なんでそんなこと知ってるんだよ、こいつ。「今どこにいるんだ」と聞いてもはぐらかされて電話を切られる。
まずい。とにかく、部屋だのなんだの言ってたから、Aちゃんの所在を確認するべきか。
そこでパーティー以来よくご飯に行く松村に電話をかける。
”もしもし”
電話の向こうで騒がしい音がしている中、北斗の声に耳を澄ます。
「あ！北斗？オレオレ！樹！」
”あぁ樹、どうしたの？”
今日は飲めねぇよ俺、と言っている北斗を無視して質問をぶつける。
「お前Aちゃんと同じ部署って言ってたよな？今あの子どこにいる？」
”え？Aさんなら今会社出たとこだけど”
「どこ向かったかわかる？」
”探し物の場所がわかったみたいで、さっき急いで自分の家に帰ったよ？”
まじかよ！きょもの家に泊まってるのに何で今日に限って！？
その旨を伝えるために急いできょもに電話する。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 774人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Momo | 作成日時：2020年2月27日 18時
