ピンク髪 ページ11
パーティーの当日は、会社で待ち合わせして松村さんとタクシーで向かうことになった。
『なんか緊張しますね。』
隣のシートで同じようにそわそわしている松村さんに話しかける。
｢そうだね、それに今日のAさん、なんかいつもと印象違うし。｣
今回はできるだけ目立たないように黒色で肩がシースルー素材のワンピースにした。
｢Aさんのポニーテール初めて見たけど、なんかいいね。｣
『女の子は褒めれば落ちるとでも思ってます？笑』
｢思ってないよ笑｣
パーティー会場であるホテルの大宴会場に到着すると、すでに大勢の人達がいた。
松村さんと他企業の方達へ挨拶をして回る。
それが終わり会場内を歩いていると、年上キラー松村さんはお色気お姉さま方に捕まり離れてしまう。
？｢お姉さん今1人？一緒に飲まない？｣
知らない男の人達に話しかけられて困っていると、
いいじゃん！と手首を掴まれて体がこわばった。
？｢いたいた！A！｣
『慎太郎！？』
慎太郎が急に片手で私の肩を抱いた。
慎｢すいません！こいつがなんかしました？｣
慎太郎が男の人達に話しかけると、それまで執拗に話しかけてきた男の人たちはバツが悪いような顔をして離れていった。
『ありがとう、慎太郎』
慎｢もう。彼氏いるんだから、断るすべくらい身につけとくもんよ。｣
『うん。』
？｢慎太郎！お前歩くの早いって！｣
『あ！高地先輩！』
高｢Aちゃん！久しぶりだね！｣
高地先輩はしばらくアメリカ支社に行っていたので、久しぶりの再会だった。
『あれ？ジェシーも来てるんですよね？』
高｢あいつは友達作りに会場内走り回ってるよ。｣
話しながら、料理が置かれたたくさんのテーブルを巡る。
慎｢このプリンめっちゃうめえ｣
そんなに？
慎太郎がテーブルからもう一つ取って渡してきたプリンを疑いつつも頬張る。
『ほんとだ』
？｢あれ？慎太郎じゃん！！｣
慎｢おお！樹じゃん！｣
誰だろう。いかにもチャラそうな、このピンク髪の男の人。
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作者名：Momo | 作成日時：2020年2月27日 18時
