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……確かに､以前真知に欲しいものを聞かれて､そう答えたけれど｡それを覚えてくれていて､偶然見つけたからって､買って……渡すために……連絡してくれたのか｡
とても､重かっただろうに｡
｢……“鮮度”って……このことだったんだね｡でも大丈夫だよ｡落ちたりしないから｣
｢え｣
確かに肥料を買った時､店の人に｢早く使わないと鮮度がおちるかもねーあははー｣と言われた｡
もしかしてからかわれたの……？と真知は若干ムッとした｡
｢……ありがとう｡すごく､嬉しい……｣
｢…………っ｣
｢じゃあ俺も……はい｡プレゼント｣
｢え｣
由希の笑顔に見惚れていたら､自分のものと同じくらいの大きな袋を差し出され､反射的に受け取った｡
ガサゴソと中に入っているものを取り出すと､いつぞやの綾女の店で見かけたレア物のモゲ太の置物がちょこんと顔を出した｡
｢あ……っ､これ……っ｣
｢偶然だけど見つけたんだ｡本物だって｡あるトコロにはあるんだね｣
｢た､高……っ｣
｢いや？良心的な値段だったよ？｣
真知の中で嬉しさが爆発したのか､モゲ太を高く掲げたりじーっと見たりして､いつの間にか表情もモゲ太と同じように口があんぐりと開いていた｡
｢真知､モゲ太と同じ顔になってる｣
｢…………っ｡ありが……とう……｣
ぎゅぅっとモゲ太を抱きしめ､小さくお礼の言葉を述べる真知に､由希は嬉しそうに微笑む｡
｢……ね､真知……俺ね……あ……っ｣
するとふわりと吹いてきた風にモゲ太を入れていた袋が飛ばされていってしまった｡
｢ちょ……っ待った待った！！｣
少し風に遊ばれたものの､届く距離に落ちた袋を､由希が追いかけて拾う｡
その時､モゲ太を抱きしめていた真知が小さい声だけれど話し出した｡
｢……私……お礼が､したくなったんです……｡本田先輩に……｡
私､全然関係ないって､出しゃばってるって分かってるけど､でも｡
私､会長みたいな
そんな会長を守ってくれていたなら､感謝……したいから……｡
……前に一度だけ､本田先輩と話したこと､あって……｣
あの､雪が降った日｡ぶつかった私に､優しく声をかけてくれた｡
｢足跡つけたいな｣と､眩しいくらいの純粋さではしゃいでいたその人が､とても､綺麗だったから｡
そんな優しくて綺麗な人が､会長を守ってくれていたなら､何だかとても｡とても感謝したいと思った｡
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言ノ葉(プロフ) - ベルモットさん» コメントありがとうございます｡少しでもこの作品の良さを知っていただけて嬉しいです｡完結まであとわずかですが､見守って頂けたらと思います！ (2021年5月3日 13時) (
レス) id: ebcac45cbc (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 初コメです。夢主とあきとの関係性が好みでした。フルーツバスケットは最近興味を持ち始めたもので、この夢小説を読んでより魅力が理解出来ました。 (2021年5月2日 17時) (レス) id: 88ef9ef77c (このIDを非表示/違反報告)
言ノ葉(プロフ) - ナツコさん» コメントありがとうございます｡何度も読み返してくださって本当に嬉しいです｡完結まで､優しく見守って頂けたらと思います｡ (2021年5月2日 0時) (レス) id: ebcac45cbc (このIDを非表示/違反報告)
ナツコ - この作品、とても大好きです。何度も読み返しては、泣いてしまいます。完結まで頑張ってください。 (2021年5月1日 20時) (レス) id: 58a748358e (このIDを非表示/違反報告)
言ノ葉(プロフ) - フレンダさん» コメントありがとうございます｡本当にどんどん終わりの時が近づいてきていて､書いてる私自身とてつもなく寂しい気持ちでいます(笑)それでも最後までしっかり書きたいと思いますので､引き続き見守っていただけたらと思います！ (2021年4月27日 15時) (レス) id: ebcac45cbc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：言ノ葉 | 作者ホームページ：https://twitter.com/KotohaJNWEST?s=09
作成日時：2021年4月22日 3時
