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写真を見せてもらった時､笑顔と無表情な､まるで正反対な表情で映っていた二人｡今と違って髪の長さが同じだったから､正直見分けがつかなかった｡
だけど俺は｡
｢どっちがどっちだと思う？｣
｢…………こっちが､A？｣
｢おお！すごい正解！｣
なぜか､初めて見た時でもAの事がわかった｡
こいつが笑ったら､どんな顔をして､どんな声で笑うだろうとか､思った｡
そんなある日の早朝だった｡
ふと
向こうは俺に気づくと､震える声で言った｡
｢……あ……ジャリ……っ｡どうしよう……Aが､透が……帰ってこない……｡
探してるけど……でもいない……｡どこにもいない｡見つからない……っ｣
初めて見る泣き顔｡俺は､どうしようもなくそれが許せなくて､笑って欲しくて｡
｢……っしっかりしろよ！おれが､おれが絶対見つけてくるから……っ！！お前は家で待ってろ！！
絶対助ける｡守ってみせる！
男の約束！｣
そう拳を突き出すと､コツンとぶつけてくれた拳｡
絶対に見つけてみせる｡助けてみせる｡
その思いだけが､俺の足を必死に動かした｡
どんなに息を切らしても､見つかるまでは絶対にこの足を止めない｡
そんな時だった｡小さな､小さな泣き声が耳を掠めたのは｡
俺はその小さな声を聞き落とさないように､必死に辿って､辿って｡
そして､見つけた｡
道の真ん中で､小さく蹲って震えている背中｡
｢…………る……っ｡透ぅ……っ！｣
｢…………っ！｣
消え入る声で泣いているのを聞いたら､どうにかしてあげたくてたまらなくなって｡
息を切らしながら､その小さな頭に手を置いた｡
ビクッと肩を震わせて見上げた目は､ポロポロと涙が零れ､真っ赤になっていた｡
今まで通る人が誰もいなかったのだろう｡やっと現れた俺に､彼女は縋るように言った｡
｢透がいないの……っ｡いなくなっちゃったの……っ｣
大丈夫｡大丈夫だよ｡俺が絶対見つけてきてやる｡
だから､だから泣かないで｡
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言ノ葉(プロフ) - ベルモットさん» コメントありがとうございます｡少しでもこの作品の良さを知っていただけて嬉しいです｡完結まであとわずかですが､見守って頂けたらと思います！ (2021年5月3日 13時) (
レス) id: ebcac45cbc (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 初コメです。夢主とあきとの関係性が好みでした。フルーツバスケットは最近興味を持ち始めたもので、この夢小説を読んでより魅力が理解出来ました。 (2021年5月2日 17時) (レス) id: 88ef9ef77c (このIDを非表示/違反報告)
言ノ葉(プロフ) - ナツコさん» コメントありがとうございます｡何度も読み返してくださって本当に嬉しいです｡完結まで､優しく見守って頂けたらと思います｡ (2021年5月2日 0時) (レス) id: ebcac45cbc (このIDを非表示/違反報告)
ナツコ - この作品、とても大好きです。何度も読み返しては、泣いてしまいます。完結まで頑張ってください。 (2021年5月1日 20時) (レス) id: 58a748358e (このIDを非表示/違反報告)
言ノ葉(プロフ) - フレンダさん» コメントありがとうございます｡本当にどんどん終わりの時が近づいてきていて､書いてる私自身とてつもなく寂しい気持ちでいます(笑)それでも最後までしっかり書きたいと思いますので､引き続き見守っていただけたらと思います！ (2021年4月27日 15時) (レス) id: ebcac45cbc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：言ノ葉 | 作者ホームページ：https://twitter.com/KotohaJNWEST?s=09
作成日時：2021年4月22日 3時
