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三者面談その��
魚谷ありさの場合｡
｢とりあえず就職かなぁ｡親父の収入だけじゃなんか不安だしさぁ｣
｢なんだよォ｡そんなこと言うなよぉ｣
｢何か､具体的につきたい職とかあるのか？｣
｢つきたい職……？｣
“うおちゃんはモデルさんなどがとてもお似合いで素敵そうですね……っ！”
“背も高いし､美人さんだもんね”
“えー？そっかぁー？でもモデルってどうやってなるんだー？”
｢じゃあモデルってことで｣
｢モッ､モデルぅぅ！？｣
｢その場のノリで決めんなよなー｡じゃあってなんだじゃあって｣
〜結論〜
とりあえず就職｡
(芸能活動希望……？)
三者面談その��
花島咲の場合｡
｢そうね……とりあえず……｡
卒業……できるかしら……｣
｢咲ちゃんしっかりィ！！
遠い目でどこを見てるのぉ！！｣
｢それは花島のやる気次第だなぁ｣
〜結論〜
まずは目指せ卒業｡
……進路が決まっていてもいなくても､あと一年で卒業……という事に変わりはない｡
そして､三者面談その��
本田透・本田Aの場合｡
……の､前に｡何やら騒がしい進路指導室前の廊下……｡
｢見た！？｣
｢見た見た！！何あのかっこいい人！！｣
｢ホントにあの子たちのお父さん！？｣
｢お兄さんじゃないの！？｣
｢繭ちゃん先生惚れちゃったりしてー！！｣
｢しー……っ！！聞こえちゃうでしょ！！｣
(聞こえてる聞こえてる……)
Aは心の中でそうツッコんだ｡
騒がしい廊下とは裏腹に､こちらはシーン……と静まり返っている上､いつもキリッとしている白木の表情がいっそ清々しい程に歪んでいる｡
というのも､彼女の視線はA達の間に立つスーツ姿の紫呉｡
女子生徒が騒いでいたのも､紫呉が原因である｡
そして当の紫呉の心情はと言うと……｡
(それ！！それだよ繭ちゃん！！ナイス嫌な顔！！)
予想通りの白木の反応にご満悦なようで､ガッツポーズまで決めていた｡
｢あの……先生？｣
｢ああイヤ……草摩さんの所に厄介になっている事情は聞いていたけど……代理って……そう……まぁ､座って｣
あくまで平静を装って､白木は三人に座るよう促し､自分も静かに席に着く｡そして開口一番笑顔でこう言い放った｡
｢お忙しい中……ご苦労様です……っ！
思いやり溢れる方なんですねぇ｣
｢あっはっはそんなっ！
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作者名：言ノ葉 | 作成日時：2020年10月21日 14時
