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ぴたっと杞紗を見て固まった透。杞紗がもう一度「お姉ちゃん」と呼ぶと、みるみる透の目は涙でいっぱいになり、Aと同様に杞紗を抱きしめた。
「うああああ!!杞紗さぁぁぁんんん!!」
頑張ろう?
たくさんたくさん落とした涙も、いつか報われるように。
********
そして数日後。まだたどたどしく話す杞紗が、学校へ行くと言った。
Aと透、そして潑春と紅葉は学校へと向かう杞紗を途中まで見送る。
その背中を見守りながら、紅葉は「ユキも来れば良かったのにね!」と潑春を見上げる。
「自分もやんなきゃいけないこと、あるって」
「本当は……杞紗さんが側を離れてしまうのは少し寂しいですが……」
「うん。でも、我慢だね」
「はい……」
杞紗は、勇気をだして戦おうとしているのだから。
(頑張って……。頑張って……杞紗ちゃん)
「いっ!今……なん……っ」
「生徒会長後任の件、お受けしますと。
色々逃げ回ってすみませんでした。ご迷惑かけた分も、会長としての責務をしっかり果たすことでお返ししたいと思っています。
ご指導のほど、よろしくお願いします」
「由希君……。
僕のために……っ!」
「違います」
別に、急に強くなれた訳じゃないし、何かが変わった訳でもない。
まだ震える体。
「…………っ」
だけど、立ち向かっていこう?
大切なのは、弱さ故の向上心。
第30話
「大切なのは……」
……To be continued
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言ノ葉(プロフ) - ゆえさん» コメントありがとうございます!これからもワクワクした気持ちで読んでいただけるように精進致します!作品は今拾弐まで続いておりますので、引き続き読んでいただけると嬉しいです! (2020年12月27日 21時) (レス) id: ebcac45cbc (このIDを非表示/違反報告)
ゆえ(プロフ) - 大好きなお話に巡りあえてわくわくした気持ちで読み進めています、とある少女の話での第三者からみた二人の姿がとても良くて感動しました。 (2020年12月27日 17時) (レス) id: 8e1c7d7280 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:言ノ葉 | 作成日時:2020年8月19日 12時