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何をどうするのが正しいのか､どうしたらいいの分からない｡
｢う……っげほ！！｣
｢Aちゃん……っ｣
｢大丈夫……っ｣
苦しい……｡苦しくて､涙が止まらなくなる｡
でも､それでも､このままではいけない｡
今行かないと､きっと……きっと夾はこのままいなくなってしまう｡
(そんなの嫌……っ)
それだけは､絶対に嫌だ｡
“夾？どうしたの？また何かあったの？
……大丈夫｡”
止めろ｡
“私はあなたを愛しているから”
｢……っ止めろよ！！｣
ダン！！と岩に打ち付けた右手は､意図も簡単に岩にヒビを入れる｡
それはまるで､今の自分の心のようで｡
だから嫌だったんだ｡誰かに何かを求めたり､何かに強く心を揺さぶられたり｡
そんなものを与えられる資格なんて､自分にはないのに｡
｢…………沢山だ｡もう｣
いっそこのまま､消えて無くなってしまおうか｡
｢夾……君……｣
｢！！｣
聞こえるはずもないか細い声に､夾は俯いていた顔を上げる｡
そこには､Aと透が泥だけになって崩れ落ちそうなる体を必死に支えながら立っていた｡
｢夾君……帰ろう？｣
｢寄るな！！
何……何やってんだ｡ノコノコ着いてきて……何やってんだよ……っ！！｣
聞こえてくる声は低くくぐもって､いつもの声ではない｡
｢夾……｢寄るなっつってんだろ！！｣｣
そう怒鳴る顔も､いつもの夾なんて微塵も感じさせなくて｡
でも､この叫びは､今聞こえているこの言葉は､“夾のもの”だ｡
｢なんなんだよお前らは！！目ェ見えてんのか！？鼻きいてんのかよ！！
うす気味悪ぃんだろ！？気持ち悪ぃんだろ！？
なんで……なんでほっておかねぇんだよ！！
同情なんざゴメンなんだよ！！｣
頼む……｡頼むからこれ以上……
｢夾く……夾君でも……私……｣
透はそっと夾に触れようと手を伸ばす｡
夾はその姿にかつての母の言葉が蘇る｡
“私はあなたをー”
｢っ！！触るな！！！｣
振りほどいた手は､細く小さな透の肩を服諸共切り裂いた｡
ドサッと倒れた透を､Aは駆け出して支える｡
｢透……？透……っ｣
顔を歪ませて透の名を叫ぶAに､夾の心はもう絶望に染まっていた｡
そしてAはそのまま夾を見る｡
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言ノ葉(プロフ) - ゆえさん» コメントありがとうございます！これからもワクワクした気持ちで読んでいただけるように精進致します！作品は今拾弐まで続いておりますので､引き続き読んでいただけると嬉しいです！ (2020年12月27日 21時) (
レス) id: ebcac45cbc (このIDを非表示/違反報告)
ゆえ(プロフ) - 大好きなお話に巡りあえてわくわくした気持ちで読み進めています、とある少女の話での第三者からみた二人の姿がとても良くて感動しました。 (2020年12月27日 17時) (レス) id: 8e1c7d7280 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：言ノ葉 | 作成日時：2020年8月19日 12時
