拝啓､猫神様｡参 (ページ49)

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潑春は無言で会長の首根っこを引っ掴んで近くのトイレへと引きずっていく｡
すると少しの間を置いて会長の絶叫が聞こえ､顔を青くして出てきた｡

｢見事な証拠だ……｡世の中まだまだ知らない事でいっぱいだな……」

(見せたのか……？)

(見せたんだな………)

なんだかんだで潑春の髪が地毛だと納得が行ったのか､会長はまた騒がしくしながらも帰っていった｡

｢お話終わったの？結局､なにしに来た人なの？」

｢だから……」

｢｢あの……｣｣

｢お手洗いのなかでどうやって」

｢地毛だって証明できたの？｣

間｡

｢いいぜ………なんならもういっそのこと､三人でやっちゃう？」

｢は？｣

｢へーきだって｡あんなモン抱きつかなくともでき……」

Aの頬に手を添えてニヒルに笑う潑春だったが､ゴン！！と由希と夾からのゲンコツをダブルでくらい､そのまま倒れた｡

｢ブラック……っ｡ブラックだきゃ手に負えねぇ……っ！！｣

｢｢あ……あの……｣｣

｢いいんだよ……っ｡二人は気にしないで……っ」

はぁ……はぁ……と息を切らす中､潑春はムクリと起き上がる｡表情はいつものホワイトな状態に戻っていた｡

｢……なんか疲れちゃった｣

｢……そうかよ……疲れたかよ……っ｣

こっちのセリフだボケェ……っと言いたかったが､ツッコむ気すら起きなかった｡
するとキーンコーンとチャイムが鳴る｡

｢あ､チャイムです！｣

｢教室､戻らなくちゃねっ」

｢紅葉君､潑春君も､帰りに私達のお友達を紹介してもいい？｣

｢ナマエカタカナ達の友達！？うん！もちろんいいよ！」

｢うん」

((今からでも遅くないから他の高校行ってほしい……))

｢あっ！そーだっ｡ねーねーユキ､キョー｡お話あるから残ってくれる？」

｢あ､それでは､私達は先に教室に戻ってますね！｣

｢ごめんね？ナマエカタカナ､トール！｣

｢大丈夫だよ｡また放課後にね｣

｢戻りましょうか､Aちゃん！｣

｢うん｣

紅葉達に手を振ると､A達は仲良く手を繋いで先に教室へと戻っていった｡

｢なんだよ改まって｡下らねぇ事ならシバくぞ｣

｢…………うん｣

＊＊＊＊＊

｢ああ､とっても大騒ぎでした！！」

｢でも､これから毎日があんな風だと､由希君も夾君も､やつれちゃうかも｣

｢あはは！｣

第21話
｢楽しそうだね｣

｢来てるんだって｡ここに｡

慊人｣

……To be continued