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｢分かった……｡会うよ｣
«そう｡じゃあ､あちらには私から連絡しておくわね»
｢うん｣
«A»
｢ん……？｣
«あなたの人生だもの｡あなたが決めていいのよ？»
｢……ありがとう｡お母さん｣
«それじゃあね？»
｢うん｣
ツーツー……と通話の切れた音を合図に耳からスマホを離す｡そしてそのまま､屋上の空を見上げた｡
夕暮れにさしかかり､空には薄く月が昇っている｡それを見ると温かい気持ちになれるのは､あの月が｢私達を見守っている｣と感じることが出来ているからだろうか｡
陽君パパの視線に気付いたのは､それから少し遅れての事だった｡空から目を離す途中で､バチッと目が合った｡
｢あ……陽君パパさん？｣
｢すみません……｡立ち聞きしてしまって｣
｢いいえ｣
｢……お母さん､何かあったんですか？｣
｢え？あ､違います！両親はピンピンしてますよ！私用の件で知らせてくれたんです｣
｢そうだったんですか｡お元気そうなら良かったです｣
｢……本当に､優しいですね｡俊平さんは｣
｢え？｣
｢あ｣
にじやにいると､みんな｢俊平｣｢俊平さん｣と呼ぶものだから､つい呼び方が移ってしまっていた｡
｢ご､ごめんなさいつい……！｣
｢いえ！あの､俊平でいいですよ｡ここにいる時は､みんな“家族”ですから｣
｢……家族……｡私も､ここの家族になれるんでしょうか｣
｢え？｣
｢……いえ､なんでもありません！……戻りましょうか｣
｢……はい｣
陽君パパも､礼さんも､めいくさんも､蒼介さんも｡みんな前を向いて歩き始めているのに｡
私は……私は立ち止まってばかりだ｡
望君がいなくなったあの日から､ずっと｡
＊＊＊＊＊＊＊＊＊
｢あれ？A先生どっか行くんスか？｣
｢え？｣
翌日も､いつも通りににじやを訪れ､皆と夕食を共にしたA｡
夕食を終えて､各々好きなように過ごし始めると､Aは鞄の中を整理し始める｡
それを見て蒼介はAが外出するのかと思い､不思議そうに声をかけた｡
俊平達も蒼介の声に反応し､一斉に視線がAに集中する｡
｢えっと､帰ろうかなって……｣
｢え！？泊まってかないんスか？｣
｢今日は遠慮しておきます｣
｢Aせんせー……帰っちゃうの？｣
陽達が寂しそうな顔でトコトコと近づいてきた｡
Aは笑顔で目線を合わせるように膝を折る｡
｢うん｡今日はもうバイバイね？｣
｢Aせんせー……｣
｢ん？｣
｢せんせーははる達とここに住まないの？｣
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とも(プロフ) - 楽しかったですー(^ー^)!!!今後の続きも楽しみにしてます♪ (2021年9月12日 0時) (
レス) id: ff2a1100bf (このIDを非表示/違反報告)
神ちゃんGirl(プロフ) - 待っていました！ありがとうございます！ぜひスローペースになってもいいのでぜひ続けて書いてください！ (2021年9月8日 16時) (レス) id: 651e60b3e1 (このIDを非表示/違反報告)
はろ。(プロフ) - たのしみに待ってます！ (2021年9月8日 1時) (レス) id: 553ee9b60b (このIDを非表示/違反報告)
言ノ葉(プロフ) - 優衣之助さん» コメントありがとうございます！少しスローペースになるとは思いますが､頑張ります(´∀｀*) (2021年8月18日 20時) (レス) id: ebcac45cbc (このIDを非表示/違反報告)
優衣之助 - 待ってました！いやーこの後の物語も楽しみです！待ってます！頑張ってください！ (2021年8月18日 1時) (レス) id: 6e2a5698bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：言ノ葉 | 作者ホームページ：https://twitter.com/ShinyStars1029?s=09
作成日時：2021年8月18日 0時
