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あの時｢いつきを守ることにも繋がる｣と言ったAの言葉が脳裏によぎる｡
｢断ることで､守れるものもあるんだって分かった｡本当に､すまん｣
｢いえそんな……！私の方こそ……ごめんなさい｣
｢あの……どうしてあの時､あんなに怒ったんですか？｣
再びAの隣に座った俊平がそう聞くと､Aは少しの間の後､話し出した｡
｢名前､呼んでなかったんです｣
｢名前？｣
｢ここに来てから帰るまで､一度もいつきちゃんの名前呼んでなかったんです｡
｢お前｣とか､｢娘｣とかばっかりで｣
｢そう言えば……｣
Aに言われて､俊平達は初めて気付いた｡
親であるならば､子どものことは何度でも呼ぶだろう｡勿論名前で｡俊平も､礼も､めいくも､一日に沢山子どもの名前を呼んでいる｡それだけ子どもを愛し､コミュニケーションをとっているという証だ｡
｢名前も呼ばないし､目線も合わせないし､もしかしたらいつきちゃんの事を邪険にしてるのかもしれないとも思ったんですが……あれは多分……｣
｢多分……？｣
｢悩んでいるんだと思います｡黒崎さんも｡もしかしたら､シングルになる前からずっと……｣
二人の壁は､シングルになった三ヶ月で出来るような厚さではなかった｡それよりももっと深い何かが､あの親子にはあるような気がするのだ｡
｢話を聞いて欲しかった｡いつきちゃんとちゃんと向き合って､話し合って､わかって欲しかったんです｣
｢それでA､あんなに必死になってたんだ……｣
｢……やっぱり､Aさんは優しいですね｣
｢え？｣
｢陽の保育園の先生が､Aさんでよかったです｣
そう言って笑う俊平に､Aは恥ずかしくなって俯く｡
｢で､でも……黒崎さんにとっては､きっといい思いしなかったですよね｣
｢案外図星つかれたって可能性もあるかもねー｡断っちゃった以上はどうしようも出来ないし､あの人がちゃんといつきちゃんと向き合ってくれるよう願うしかないよ｡
ってことで蒼ちゃん！アイス！｣
｢はい！買ってきます！｣
しゅばっ！と素早く下へと降りていく蒼介に俊平は笑っていたが､隣で未だに浮かない顔で俯くAに気づき､心配そうに眉を寄せた｡
第10話
｢#親子の壁｣
……To be continued
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とも(プロフ) - 楽しかったですー(^ー^)!!!今後の続きも楽しみにしてます♪ (2021年9月12日 0時) (
レス) id: ff2a1100bf (このIDを非表示/違反報告)
神ちゃんGirl(プロフ) - 待っていました！ありがとうございます！ぜひスローペースになってもいいのでぜひ続けて書いてください！ (2021年9月8日 16時) (レス) id: 651e60b3e1 (このIDを非表示/違反報告)
はろ。(プロフ) - たのしみに待ってます！ (2021年9月8日 1時) (レス) id: 553ee9b60b (このIDを非表示/違反報告)
言ノ葉(プロフ) - 優衣之助さん» コメントありがとうございます！少しスローペースになるとは思いますが､頑張ります(´∀｀*) (2021年8月18日 20時) (レス) id: ebcac45cbc (このIDを非表示/違反報告)
優衣之助 - 待ってました！いやーこの後の物語も楽しみです！待ってます！頑張ってください！ (2021年8月18日 1時) (レス) id: 6e2a5698bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：言ノ葉 | 作者ホームページ：https://twitter.com/ShinyStars1029?s=09
作成日時：2021年8月18日 0時
