4 ページ23
そこからめいくが言葉を続けることはなかったが､全員の脳裏に一つの可能性が浮かぶ｡
出来れば､そうであって欲しくない｡特に俊平はそう思いながら｡
｢……あるのかもしれません｡彼女にも､踏み出せない何かが｣
礼の言葉を聞いて､俊平と蒼介は自然と顔を見合わせる｡それを見ためいくは､珍しいと笑う｡
｢また“みんなで相談に乗ってやろう！”とか言うのかと思ったのに｣
｢いや……女の人の問題に俺達が口出ししていいのかどうか……なぁ？ほら､こんなデリカシーのない男に……｣
｢蒼ちゃん……その慎重さ俺の時も頂戴よ……｣
｢ったく！普段ズカズカ踏み込んでくるくせにこういう時になったらへっぴり腰たぁ……｡情けない！ねぇ？礼さん｣
｢全くです｣
｢うわ！グサッときたァ！｣
蒼介はううっと胸を抑えて大袈裟に俊平にもたれかかる｡俊平は笑いながら受け止めるも､やっぱり先日のAの言葉が離れずにいた｡
＊＊＊＊＊＊＊＊
昨日のことがあったからか､もしかしたら今日は来てくれないかもと思っていた皆の心配を他所に､Aは今日も仕事終わりににじやを訪れ､皆と夕食を共にした｡
｢はい！それじゃあみんなお手手合わせてー？ご馳走様でした｣
｢｢｢ご馳走様でした！｣｣｣
｢じゃあみんな､お皿持ってきてください｣
｢あ､AA｡今日はパパたちに任せて､ちょっとあたし達と話さない？｣
｢え？｣
いつものように子ども達と台所へ行こうとした所をめいくに呼び止められた｡めいくの隣で､礼も同意するように頷く｡
そんな二人にAがキョトンとして俊平達を見ると､蒼介は既に子ども達と台所へ向かっていて､俊平もAの手から食器をひょいっと取る｡
｢いつもやってもらっちゃってますから､今日くらい俺達がやりますよ！｣
｢あ､ありがとうございます｣
｢よし！じゃあ屋上行こう！｣
戸惑うAの背中を押しつつ､めいくは後ろにいる俊平達にグッと親指を立てて､礼もよろしくと頭を下げた｡
それを見て､俊平達も後で合流すると強く頷いた｡
めいく達は屋上へ着くと､Aと三人向き合って座る｡Aの前には少し緊張した面持ちの二人がいて､Aは不思議そうに首を傾げる｡
｢どうしたんですか？大地君や雫ちゃんの事で何か相談が？｣
｢え？ああ違う違う！あたし達のことじゃなくてさ､Aのこと｣
｢私のこと……？｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 519人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
とも(プロフ) - 楽しかったですー(^ー^)!!!今後の続きも楽しみにしてます♪ (2021年9月12日 0時) (
レス) id: ff2a1100bf (このIDを非表示/違反報告)
神ちゃんGirl(プロフ) - 待っていました！ありがとうございます！ぜひスローペースになってもいいのでぜひ続けて書いてください！ (2021年9月8日 16時) (レス) id: 651e60b3e1 (このIDを非表示/違反報告)
はろ。(プロフ) - たのしみに待ってます！ (2021年9月8日 1時) (レス) id: 553ee9b60b (このIDを非表示/違反報告)
言ノ葉(プロフ) - 優衣之助さん» コメントありがとうございます！少しスローペースになるとは思いますが､頑張ります(´∀｀*) (2021年8月18日 20時) (レス) id: ebcac45cbc (このIDを非表示/違反報告)
優衣之助 - 待ってました！いやーこの後の物語も楽しみです！待ってます！頑張ってください！ (2021年8月18日 1時) (レス) id: 6e2a5698bc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：言ノ葉 | 作者ホームページ：https://twitter.com/ShinyStars1029?s=09
作成日時：2021年8月18日 0時
