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俊平が陽を高く持ち上げて肩車すると､陽はぐんっと高くなった視界にママとの距離が近くなった気がして､再び大きく手を振る｡
それを見て､今度は蒼介が駆け出し俊平達の元へ向かった｡
｢よし｡大地！ほら！｣
蒼介も大地に肩車したことで､雫は後ろで見守る礼の方へと振り返った｡
それを見て､礼も涙を拭って雫の方へと向かう｡
｢ママも出来るよー？ほら！｣
そうして､みんなで口々におーい！とお月様に向かって叫ぶ｡
めいくはそれを見て下へと降りていき､Aはその光景に､胸が打たれちゃんと見届けようと涙を拭う｡
すると､陽が俊平の腕をトントンと叩き､俊平に向かって後ろを指さす｡
そんな陽の気持ちを悟った俊平は､陽を肩車したまま後ろを振り返った｡
｢A先生！｣
｢え……｣
｢Aせんせーも来てー！｣
｢おーい！｣
今度は子ども達がAに向かって手を振り始め､Aはそれを笑って受け止めると､みんなの元へと駆け出し､お月様に向かって手を振りおーい！と呼びかけた｡
｢おーい！｣
｢｢｢｢おーい！！｣｣｣｣
そうして沢山お月様に声を届けたあと､陽は俊平を見て問いかける｡
｢ねぇパパ｣
｢ん？｣
｢トリプルグリーンは誰なの？｣
｢そうだなぁ……｡今日からは､陽がトリプルグリーンだ｡ママに代わって地球を守ってくれるか？｣
｢うん！｣
陽がそう強く頷くと､俊平は陽を下ろして少し皺になった服を整える｡
｢陽？これからはママの話いっぱいしよう｡
陽が生まれる前の､ママの話もいっぱいしような？｣
｢うん！｣
俊平はもう一度陽を強く抱き締め､ポンポンと肩を叩く｡Aはそれを微笑ましく見ていると､めいくがギターケースと絵本を持って屋上へ戻ってきた｡
｢よーしみんな！一緒に歌おう！｣
｢おっ！歌おう！｣
子ども達とめいくが椅子に座り､陽が絵本をめくる｡それを合図に､めいくはギターを奏で歌い始める｡
それは､以前街で弾いていた曲｡俊平が聞いた時はまだ歌詞が着いていなかったが､めいくが歌い始めると､その歌詞はみどりの絵本と同じで｡
それに気付いた俊平はおっ！と嬉しそうに顔を綻ばせる｡
みんなで手を叩いて､みどりの描いた物語を歌う｡
屋上には､みんなの笑い声と歌声が､どこまでも溢れていた｡
そして､夜空にはいつも､綺麗なお月様が見守っている｡
みどり｡
俺と陽はようやく
君のいない人生のスタートラインに立てた｡
そして､決めたんだ｡
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とも(プロフ) - 楽しかったですー(^ー^)!!!今後の続きも楽しみにしてます♪ (2021年9月12日 0時) (
レス) id: ff2a1100bf (このIDを非表示/違反報告)
神ちゃんGirl(プロフ) - 待っていました！ありがとうございます！ぜひスローペースになってもいいのでぜひ続けて書いてください！ (2021年9月8日 16時) (レス) id: 651e60b3e1 (このIDを非表示/違反報告)
はろ。(プロフ) - たのしみに待ってます！ (2021年9月8日 1時) (レス) id: 553ee9b60b (このIDを非表示/違反報告)
言ノ葉(プロフ) - 優衣之助さん» コメントありがとうございます！少しスローペースになるとは思いますが､頑張ります(´∀｀*) (2021年8月18日 20時) (レス) id: ebcac45cbc (このIDを非表示/違反報告)
優衣之助 - 待ってました！いやーこの後の物語も楽しみです！待ってます！頑張ってください！ (2021年8月18日 1時) (レス) id: 6e2a5698bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：言ノ葉 | 作者ホームページ：https://twitter.com/ShinyStars1029?s=09
作成日時：2021年8月18日 0時
