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しばらくすると､店内を美味しそうなソースの香りが漂い､大きなお好み焼きを乗せたお皿を手にした銀治がA達のテーブルへとやってきた｡
｢はい､お待たせ｣
｢わーっ！｣
初めて見る大きなお好み焼きに､陽は目をキラキラさせて声を上げた｡
鰹節が踊るようにお好み焼きの上をふわふわと滑る｡
Aも思わず｢美味しそう……！｣と手を合わせた｡
礼は興味深々の雫の肩に手をやり､銀治達を見上げる｡
｢この子､お好み焼き食べるの初めてなんです｣
｢え……っ｡それは緊張すんな……｡
まあ､熱いから気をつけてな？｣
｢おやっさんのお好み焼きは､幸せの味がするぞ｣
雫は蒼介の言葉を聞いて嬉しそうに礼を見て｢食べていい？｣と聞く｡
｢うん！じゃあママがとってあげる｣
｢じゃあ陽のはパパがとってあげような｣
｢パパ！せんせーのぶんも！｣
｢わかったわかった｡熱いからね？陽
先生もどうぞ！｣
｢すみません､ありがとうございます｣
お好み焼きを口にした陽は､もぐもぐと食べ進めていくのと同時にどんどん笑顔になる｡
そしてやがて｢美味しいー！｣と声を上げた｡
それを見て､俊平もお好み焼きを食べ始める｡
｢いただきまーす｡……めちゃくちゃ美味しいっす！｣
｢だろ？｣
｢どう雫｡美味しい？｣
｢うん！｣
初めてのお好み焼きは､雫の口にもあったようで一生懸命口にも頬張っている｡
｢先生も､食べてください！｣
｢はい｣
Aはお好み焼きに箸を通すと､ゆっくりと口に入れる｡
途端に脳裏を過ぎるのは､自身が作ったお好み焼きを嬉しそうに振舞った時の望の笑顔で｡
｢……美味しい……｡本当に､美味しいです……｣
｢せんせー？｣
気付けばポロリと涙が零れていた｡
突然泣き出したAに､俊平達は戸惑っているように感じて､余計涙が止まらない｡
こんなとこで泣いたらダメなのに｡
｢……ごめんなさい……っ｡美味しくて……感動しちゃって……！｣
｢……大丈夫ですか､先生……｣
｢……っはい｡すみません突然……｡お好み焼きなんて久しぶりに食べて｡本当に､美味しくて……｣
｢……だってよ！おじいちゃん！｣
｢そのおじいちゃんってのはやめろよぉ……｣
明るく返してくれた蒼介に､Aは密かに感謝した｡そのおかげで､涙が止まったのだから｡
｢せんせー｣
｢ん？｣
｢はるの分のおろのみやきあげるー！｣
｢しずくのもー！｣
フォークで刺したお好み焼きを､二人はちょこんとAの皿に乗せる｡
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言ノ葉(プロフ) - さらさん» 初めまして！コメントありがとうございます！本放送に遅れすぎないように､自分のペースで書いていきたいと思いますので､これからも優しく見守って頂けたらと思います！ (2021年7月15日 22時) (
レス) id: ebcac45cbc (このIDを非表示/違反報告)
さら - はじめまして！！このお話とっても大好きです！！ドラマも好きで、一緒に読めるので楽しいです！！続きも楽しみにしてます！！コロナで大変ですが、お体には気を付けて下さいね！！ (2021年7月14日 20時) (レス) id: d237d559b7 (このIDを非表示/違反報告)
言ノ葉(プロフ) - のりぴーさん» コメントありがとうございます！望君のモデルは言わずもがなあの子です(笑)今回オリジナルキャラクターとして出しちゃいました(笑)是非､ヒロインとの過去や､ヒロインと俊平パパのこれからを､是非見守って頂けると嬉しいです｡ (2021年7月13日 19時) (レス) id: ebcac45cbc (このIDを非表示/違反報告)
言ノ葉(プロフ) - Konaさん» コメントありがとうございます！！リアルタイムでしっかり更新出来るよう頑張ります！是非優しく見守っていた頂けると嬉しいです！ (2021年7月13日 19時) (レス) id: ebcac45cbc (このIDを非表示/違反報告)
のりぴー(プロフ) - 初めまして！めちゃくちゃ面白いです！！望くんとの過去も気になりますしこれからのパパとの関係も気になります！更新頑張ってください！！ (2021年7月13日 17時) (レス) id: be1bb890da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：言ノ葉 | 作者ホームページ：https://twitter.com/ShinyStars1029?s=09
作成日時：2021年7月12日 14時
