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“早く帰ってきてね”
“お土産買ってくるからな!”
“それじゃあ､いってきます”
“｢永遠｣なんてないんだよ!!”
“由紀君は何も分かってない!!”
雨は何もかも奪っていく｡
雑音も､温もりも､足音も､全て｡
ソファーの上で膝を抱えて､顔を埋める｡
テレビもついてないこの空間に響くのは､雨の音と時計の秒針が進む音だけ｡
しばらくそうしていると､カタンと玄関の方から音がした｡
Aは顔を上げてソファーから立ち上がると､リビングを出て玄関を見た｡
真冬の靴がない｡そして傘立てを見ると､いつも真冬が使っている傘も無かった｡
｢……冬ちゃん？｣
その頃､真冬はある人物に呼び出され､近くの公園に来ていた｡
｢どうして今更､俺にかまうの？
今までずっと､傍観決め込んでたくせに｣
そう話す真冬の目の前にいたのは､柊だった｡
突然｢遊ぼう｣と言って真冬を呼び出した柊は､じっと真冬を見つめて､そして目を逸らした｡
｢……確かに､俺は何もしなかった｡
お前と由紀が付き合い出した時も……｡全部知ってて…何も言わなかった｡
それを今､後悔してる｣
そう話す柊に､真冬は何も答えない｡
それでも柊は言葉を続けた｡
｢なぁ､お前の気持ちも分かるけど……｣
｢っ！俺の気持ちなんかわかんない！！｣
柊の言葉を遮って真冬は叫んだ｡
そんな自分に驚いたように､真冬はまた黙り込む｡
｢……確かに､わかんねぇわ……｡
それも今､後悔してる｣
−鹿島柊は許されたい｡
誰でもいいから､許されたい｡ー
＊＊＊＊＊＊＊
ー俺と佐藤真冬と､吉田由紀は幼なじみだった｡
幼稚園の頃に玄純が引っ越してきて
小学校の入学式で､Aに出会った｡
それから物事は､この5人の小さな世界で全て起こっていた｡
特に由紀と真冬は母子家庭の鍵っ子で､最初から何かが半分足りないままで､お互いがお互いの欠けたところを埋め合うように､由紀には真冬が必要だったし､真冬には由紀が必要だったし､そうあるようにお互いが作られた空気を持っていた｡
そんな2人の空気の中に､唯一自然と溶け込めた人物が､A｡
小さな頃から､Aは誰にでも優しく明るく､どこかそばにいる人間の心を和らげる雰囲気を持っていた｡
由紀と真冬が､お互いの欠けたところを埋めあって､その周りをAの優しさが包む｡
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に - 最近ギヴンにハマった20代ですが、こちらの小説ほんっっっとうに最高です！！！！夢主の行動・気持ち・考えなど文からとても伝わってきて読みやすいです。お忙しいと思いますが、完結に向けて頑張ってください。楽しみにしております！！ (2020年4月30日 13時) (
レス) id: e8737ae1a9 (このIDを非表示/違反報告)
美咲 - アニメ終わって落ち込んでたら、映画っ！嬉しすぎて……2020年まで頑張っていけそうです！言ノ葉さん最終話までお疲れ様でした！番外？リクエストも更新、楽しみにしてます！に (2019年9月20日 15時) (レス) id: 7ef2d991dc (このIDを非表示/違反報告)
蓮華 - はじめまして！梶さんと春樹とのお話を書いてほしいです！ (2019年9月20日 10時) (レス) id: eb587ffa62 (このIDを非表示/違反報告)
神夜(プロフ) - マシュマロが通信制限で使用出来ないのでボードの方に感想、リクエスト書かせて頂きました。御手数ですが見て頂けると嬉しいですよろしくお願いします。 (2019年9月18日 5時) (レス) id: 1c640baa7c (このIDを非表示/違反報告)
言ノ葉(プロフ) - 美咲さん» コメントありがとうございます！雨月さんめっちゃ美人ですよね……｡10話の耳かけスタイルがとても色気爆誕でやばかったです…… (2019年9月16日 21時) (レス) id: 50b948882d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：言ノ葉 | 作成日時：2019年8月30日 15時
