3 ページ43
(新婚夫婦……？)
(むしろ親子……？)
まぁどっちにしても｡
((和むなぁ……))
と､しばらく癒されていたのだが､突如聞こえてきた｢ぐぅ……｣という音に､みんなの視線が一点に集中する｡
｢腹減った｣
｢そう言えばスタジオから直接来たから､夕飯まだだったっけ｣
｢良かったらご飯食べていきます？｣
｢え？いいの？｣
｢はい！｣
｢Aのご飯､美味しいですよ｣
忘れ物を届けに来ただけのはずが､夕飯までご馳走になる流れになり､空腹には逆らえないので､春樹達は有難く頂戴することにした｡
並べられた夕飯は､一人暮らしや男同士で住む2人には普段あまり食べる機会のないものばかりで､思わず声が出てしまう｡
｢美味そう！｣
｢いや､めっちゃ美味いこの肉じゃが｣
｢ってもう食ってるし！ったく……いただきます｣
｢召し上がれ！｣
｢いただきます｣と言うのも､｢召し上がれ｣と返ってくるのも､何年ぶりだろうか｡
一人暮らしが当たり前になってから､無くしていた感覚だった｡
｢Aちゃん料理上手いんだなぁ……｣
｢ありがとうございます！｣
そう言えば､こうして食べてるところを優しく見守られるのも懐かしい｡
普段は無邪気なイメージが強いけど､こうして食べているところを優しく見守る表情は､どこか大人びていて､母に見守られてるような気分になる｡と､春樹は少しくすぐったくなった｡
｢お前､ほんといい嫁になるな｣
｢え？｣
そして梶も､気づけばポロッとそんなことを口にしていた｡料理だけではない｡この家も､どこか温もりがある｡
自分には､あまり縁のないものだ｡
｢暖かいな｣
柔らかい声でそう言った梶に､Aと真冬は顔を見合わせた｡
自分の言葉の意図が上手く伝わらなかったらしい｡それも､2人らしいというかなんというか｡
｢Aおかわり｣
｢あ､はい！｣
｢お酒なしでこんなに飯進んだの久しぶりだぁ……｣
｢アン！｣
｢こらタマ……｡春樹さんにじゃれちゃダメだよ｣
｢タマちゃん､春さん気に入ったの？｣
｢猫みたいな名前だな……｣
アポ無しで訪れた後輩の家は､なんとも言えない暖かさで包まれていた｡
Request #02
｢暖かいな｣
リクエストありがとうございました！
ただいまTwitterでは､マシュマロ箱にてリクエスト募集中です！
｢リクエスト募集｣のページを良く読んで頂いて､宜しければフォローと共に､リクエストや感想お待ちしています！
(リクエスト＆感想はこちらまで→@ShinyStars1029)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 137人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
に - 最近ギヴンにハマった20代ですが、こちらの小説ほんっっっとうに最高です！！！！夢主の行動・気持ち・考えなど文からとても伝わってきて読みやすいです。お忙しいと思いますが、完結に向けて頑張ってください。楽しみにしております！！ (2020年4月30日 13時) (
レス) id: e8737ae1a9 (このIDを非表示/違反報告)
美咲 - アニメ終わって落ち込んでたら、映画っ！嬉しすぎて……2020年まで頑張っていけそうです！言ノ葉さん最終話までお疲れ様でした！番外？リクエストも更新、楽しみにしてます！に (2019年9月20日 15時) (レス) id: 7ef2d991dc (このIDを非表示/違反報告)
蓮華 - はじめまして！梶さんと春樹とのお話を書いてほしいです！ (2019年9月20日 10時) (レス) id: eb587ffa62 (このIDを非表示/違反報告)
神夜(プロフ) - マシュマロが通信制限で使用出来ないのでボードの方に感想、リクエスト書かせて頂きました。御手数ですが見て頂けると嬉しいですよろしくお願いします。 (2019年9月18日 5時) (レス) id: 1c640baa7c (このIDを非表示/違反報告)
言ノ葉(プロフ) - 美咲さん» コメントありがとうございます！雨月さんめっちゃ美人ですよね……｡10話の耳かけスタイルがとても色気爆誕でやばかったです…… (2019年9月16日 21時) (レス) id: 50b948882d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：言ノ葉 | 作成日時：2019年8月30日 15時
