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《言ったよな?俺は真冬が望むならなんだってするんだ!!
俺とずっと、永遠に一緒にいてくれるなら…!》

「……っ!“永遠”なんてないんだよ!!
由紀君は何も分かってない!!」



そのまま電話を切った。
そして2日後。由紀は、飲めもしないお酒を大量に飲み、自ら命を絶った。









*******

「由紀君が 自 殺 したのは、冬ちゃんのせいじゃない。私が…私が引き金を引いちゃったの……っ」

「A……」


確かにあの時の真冬の言葉がきっかけになったかもしれない。しかしトドメの引き金を引いたのは自分だ。


「ごめんなさい……っ。ごめんなさい……」


あの時、自分が由紀を支えていたら。
少しでも由紀の異変に気付けていたら。
真冬が傷つくことも、由紀がいなくなることもなかった。

俯いたまま、何度も謝るAに、真冬はそっと肩を引き寄せる。


「もう、いいよ」

「冬ちゃ…」

「ごめん。ごめんね。俺も、ずっと自分の後悔ばかりで、Aのこと全然考えてなかった」

「……っ」

「話してくれてありがとう。そばにいてくれて、ありがとう」


ぽんぽんとAの背を撫でながら、子守唄のようにあの歌を口ずさむ真冬の声を聴きながら、Aは真冬の腕の中で泣き続けた。


「大丈夫?」

「……んっ」


ぐすぐすと鼻を鳴らしつつも、大分落ち着いたAは、真冬と手を繋いで部屋に帰った。

リビングのソファに座って、2人の間にしばらく沈黙が走る。
すると、真冬が小さく息を吐いて話し出す。


「ライブ中、本当は自分の声なんて上手く聞こえてなかったんだ。指は回らないし、眩しくてよく見えないし。でも、“ああ、これだけ叫んでも許されるんだ”って思えた。

もっと、やりたい。もっとたくさん、作りたい」

「……うん。なんか、今日は疲れちゃった。
ご飯、無しでもいい?」

「うん。いいよ。俺も、クタクタ。

……ねぇ、A」

「ん?」

「俺、恋してるんだ。新しい、好きな人」

「……そっか」

「うん…」


そうして、2人は寄り添ったまま、静かに目を閉じた。






これは、とある夏の話。


とある夜の話。







#9.5
追憶〜季節〜






To be continued…

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設定タグ:ギヴン , 夢小説 , BL   
作品ジャンル:アニメ
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- 最近ギヴンにハマった20代ですが、こちらの小説ほんっっっとうに最高です!!!!夢主の行動・気持ち・考えなど文からとても伝わってきて読みやすいです。お忙しいと思いますが、完結に向けて頑張ってください。楽しみにしております!! (2020年4月30日 13時) (レス) id: e8737ae1a9 (このIDを非表示/違反報告)
美咲 - アニメ終わって落ち込んでたら、映画っ!嬉しすぎて……2020年まで頑張っていけそうです!言ノ葉さん最終話までお疲れ様でした!番外?リクエストも更新、楽しみにしてます!に (2019年9月20日 15時) (レス) id: 7ef2d991dc (このIDを非表示/違反報告)
蓮華 - はじめまして!梶さんと春樹とのお話を書いてほしいです! (2019年9月20日 10時) (レス) id: eb587ffa62 (このIDを非表示/違反報告)
神夜(プロフ) - マシュマロが通信制限で使用出来ないのでボードの方に感想、リクエスト書かせて頂きました。御手数ですが見て頂けると嬉しいですよろしくお願いします。 (2019年9月18日 5時) (レス) id: 1c640baa7c (このIDを非表示/違反報告)
言ノ葉(プロフ) - 美咲さん» コメントありがとうございます!雨月さんめっちゃ美人ですよね……。10話の耳かけスタイルがとても色気爆誕でやばかったです…… (2019年9月16日 21時) (レス) id: 50b948882d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:言ノ葉 | 作成日時:2019年8月30日 15時

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