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｢ふぅ……｡まぁ､冬ちゃんにも思うところがあると思うから､気長に待ってあげて？｣
｢思うところって……｣
｢それじゃあ､私も帰るから｡勧誘頑張ってね！りっちゃん！｣
｢お？おお……｣
Aは上ノ山に手を振ると､パタパタと教室を後にした｡
やっぱり上ノ山もなかなか頑固らしい｡
空回りだけど､一生懸命で何だか可愛く思えてきて､Aはまた笑いそうになるのであった｡
(あれ｡そう言えばりっちゃん､今日冬ちゃんがバイトの面接だって知ってんのかな……｡
そもそも､連絡先から知らなそう……)
そのAの予感は的中し､上ノ山は同じことを春樹に突っ込まれることになる｡
そして､その日の夜｡
｢……A？｣
｢え？りっちゃん？どうしてここに？｣
真冬から｢バイト受かった｣という連絡を貰い､バイト先であるライブハウスの前で真冬を待っていると､上ノ山がやってきた｡
上ノ山も春樹からバイト先を聞いたらしく､バンドの練習帰りに来たらしい｡
｢りっちゃん､やっぱり冬ちゃんと連絡先交換してなかったんだね｣
｢それを言うなよ……｡春樹さんにも突っ込まれたんだから｣
｢音楽はコミュニケーションだよって？｣
｢え｡なんで……｣
｢私だって音楽やってるんだから､大体想像つくよ！｣
そう笑うAに､口を噤む｡
まさか春樹にだけでなく､Aにまで見抜かれていたとは……｡
｢ちゃんと､あいつの話も聞こうと思って……｡なんで断ったとか､そういうの､何も聞いてないって気付いたから｣
｢……そっか｣
｢A……と上ノ山君？｣
聞こえてきた声に顔を上げると､真冬が少し目を丸くして歩いてきた｡
上ノ山までいると思わなかったのだろう｡
｢面接､行ってたって？｣
｢うん｣
｢あー､その……どうだった？｣
｢来週から来てって｣
｢お､おお……｡(その程度の社会適応能力はあったのか……)｣
(りっちゃんの考えてることがなんとなく分かる気がする……)
｢あー……その､お前さ……｣
｢……真冬？｣
突然聞こえた声に､真冬はまるでスローモーションのようにゆっくりと振り返った｡
そこにいた人物に､真冬は今までにないくらい凍りついた表情で固まった｡
｢真冬…｡それに､Aも…｣
｢あ…｣
真冬程ではないが､Aも驚いたようにその相手を凝視している｡
状況が掴めない上ノ山だけが､困惑したようにその場にいた｡
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言ノ葉(プロフ) - りぃさん» はじめまして！読んでくださってありがとうございます！笠井さんについてはもうほんと賛否両論ですよね！これからもよろしければ見守っていただけたらと思います！ (2019年8月21日 22時) (
レス) id: 229c4ca60f (このIDを非表示/違反報告)
りぃ(プロフ) - はじめまして。 ギヴンの小説を探してて見つけたときすっごい嬉しかったです！こういう素晴らしい作品を待ってました！！ 僕も真冬のことをベラベラしゃべっててなんやねん！この女！！(口悪い)と思ってました← (2019年8月21日 10時) (レス) id: 649b8a9daf (このIDを非表示/違反報告)
星の桜(プロフ) - 琴葉さん» 好きになった理由に凄く共感しました。それと...私も笹井さんの気持ちは微塵も理解出来ませんでした(ｺｿｯ (2019年8月18日 10時) (レス) id: 847ebd8ac8 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - 星の桜さん» コメントありがとうございます！これからもマイペースに進めていきますので､よろしければこれからも見守ってください！ (2019年8月15日 7時) (レス) id: 229c4ca60f (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - 神夜さん» ありがとうございます！アニメを見たらハマってしまいまして､探したらまだ作品が0だと言うことを知って｢なら自分で書けば良くね？｣と思ってはじめました(笑)宜しければこれからもよろしくお願いします！ (2019年8月15日 7時) (レス) id: 229c4ca60f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：言ノ葉 | 作成日時：2019年8月10日 0時
