第１話｢第一印象､関わりたくない｣ ページ1
“奴”との出会いは､高校の入学式｡
新入生の出席確認の係をしていた時だった｡
｢重岡大毅｡です｣
こちらに目線を合わせることなく､ポチポチとスマホをいじりながらの自己紹介｡
第一印象
｢関わりたくない｣
｢くそ生意気｣
｢(人の顔見ろ｡スマホやめろ)
……｢重岡君｣は……Ｃ組ね｡入学式始まるまで教室にいるように｡あとコレ付けて｣
｢うい｣
(｢はい｣って言えや)
なんかもう本当に第一印象最悪だなこいつ｡とか思いながら､胸元に付ける花飾りを手渡そうとした時｡
｢あー！！重岡いたー！！中学卒業ブリやん！何組やったー！？｣
突如現れた彼の友達らしき女子が､テンション高めにドーン！と彼の背を押した｡
それによりバランスを崩し､前のめりになった彼の目の前にはもちろん私がいたわけで｡
倒れ込んでは来なかったものの､代わりに彼の右手が見事に私の胸を掴んでいた｡
その場は見事に凍りつく｡
しかし､彼から飛び出た言葉は謝罪でも驚きの声でもなく｡
｢…………デカい｣
のたった三文字だった｡
しかし､冷静だったのは彼だけではない｡
AA｡１７歳､高二｡
こんな子供に乳を掴まれるくらい､屁でもなかった｡
何せ我が家は三つ子の弟に双子の妹｡そんな怪物達の激戦区で育った長女である私は､ただひたすら大人になった｡
そう､たとえ……
三つ子の喧嘩に私のコップが犠牲になったとしても､ゲームコントローラが頭を直撃しても､双子の姉妹がその騒ぎで足を踏まれたと泣き叫んでも｡
(おこらないおこらないおこらない……)
５歳の時点で､私は既に我慢を覚えた｡
＊＊＊＊＊＊＊＊
そんな生活の中で生きてきたから､半年も前の入学式の事を､
｢シュート練そこまで｡次ディフェンスメニュー始めるんで､二人一組作ってください｣
｢うへー！きつー……っ｡Aマネージャー､休憩いつっスかー？｣
｢あと８分４３秒後｣
｢細けっ！｣
｢向井君､もっと集中しなさい｡選抜優勝大会の予選まで､あと一週間ないのよ？｣
｢こーわ｣
｢！｣
｢Aさんっていっつも険しー顔しとんな｡固いんは乳だけにしといたら？｣
｢重岡うるさい｡フラフラしてないでさっさと位置につく｣
｢えーい｣
たとえ､例の生意気一年生が同じ部活にいたとしても｡
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ぽや - ふぁぁぁぁ続きがキニナルすぎるし、主様小説の作り方がうますぎる…はやくみたいいいい (2021年8月1日 4時) (
レス) id: 1dc60e8858 (このIDを非表示/違反報告)
A - どうしましょう！？！？主様大変大変面白いです！！！！！面白すぎます！！ものすごくこの続きが気になります､､､大変だと思いますがお話更新楽しみに待ってます！ (2021年7月31日 22時) (レス) id: f0c11ee780 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：言ノ葉 | 作者ホームページ：https://twitter.com/ShinyStars1029?s=09
作成日時：2021年6月14日 17時
