全て諦めようと思う。【佐野万次郎】 (ページ10)

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Aside

ｶﾞﾗｶﾞﾗ…

『お邪魔します…』

道場は思ったより広くて声がよく響いた。
そんな道場の奥に人影があった。

ずっと回し蹴りをしている…

黒髪のミディアムくらいの長さの男の子が居た。

『もうちょっと左脚に重心をおいた方が良いよ』

その子は目をまんまんるにしてこちらを見つめた。

はっ！っと気づく。

やってしまったぁ…その子の回し蹴りを見てムズムズしたから思わず教えちゃった…

「おお！場地！」

「あ、マイキー！」

彼は場地圭介といって万次郎とは幼馴染みらしい。万次郎とケンちゃんといっしょで不良をしている。

圭ちゃんと呼ぶことにした。

「……オマエ、強ぇのか？」

『え？いやいy…「うん、強ぇよ。」万次郎！？』

「だから勝負しに来たんだ。」

「俺も見てて良いか!？」

犬かな？うん、犬かな？(二回目)

『い、いけど…見せるほどじゃないよ
……それで、背中着いたら負け、10秒起き上がれなくても負け。でいい？』

「いいよ～」

後ろからの視線が痛くなりつつも勝負を始めた。

私は動かなかった。

まずはどんな動きをするのか読まないと。

ケンちゃんは拳を握り一直線に。
万次郎は…あれ？いない？

その瞬間後ろで気配を感じた。

ﾄﾞﾝｯ!!!!!

『っうわ～、あっぶねぇ、』

「！？(マイキーの蹴りを避けた!？)」

なるほどね～と思いながらケンちゃんの拳を受け流す

相変わらず後ろに回り込む万次郎が邪魔。

『万次郎！！いいとこついてくんじゃん！！！』

ｻｯと避けながら話す。

「おい！A！！避けてばっかりじゃねェか！！」

いいんだけどね、ケンちゃんの拳。重いよ～モロに食らったら骨折れるかも！

万次郎の蹴りは確実に頭を狙ってる。いいね、狙いは！

けどなぁ…ずっと同じ事ばっかりだなぁ…

『飽きた！！！！』

「「はぁ！？」」