全て諦めようと思う。【佐野万次郎】 (ページ17)

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番外編17 ページ17

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「「ハッピーバースデー！マイキー！！！」」

Aside

「っ…、ありがとう…」

佐野家でパーティーを開いている。
だって今日は万次郎の誕生日！なんだけど…

『大丈夫？万次郎。浮かない顔してるよ』

「…え？そう？」

『うん…何があった？』

心なしか悲しそうなそんな表情を浮かべているのだ。

ケンちゃんを呼び出し少し外に行くといい部屋を出る。

『……かくかくしかじかで…』

意外とすんなりと言葉が返ってきたことにびっくりした

「あー、それ真一郎くんの命日だからじゃね？」

『…そっか』

案外しっくりきた

真一郎くんはバイク屋さんで撲殺されたのだ。しかも一虎くんという仲間に。

一虎にもけして悪気があるのではなく、万次郎にプレゼントしたかったバブがたまたま真一郎くんのバイク屋のバブだった。

真一郎くんはとても優しかったことを覚えている。

『……万次郎が笑顔になれるようにする。』

ケンちゃんは一瞬びっくりした顔になり、微笑んで「任せたぞ」と言って家に入っていった。

……

「ん？なんだ？A。」

ケンちゃんに万次郎を呼び出すように頼んだ。

『ねぇ、悲しい？』
「は？A、何言って…」
『素直に。万次郎の思ってること、聞かせて？』

万次郎はフッと笑ったと思えばどこか遠くを見つめて「悲しい」と呟いた。

『じゃあ、私が悲しく無いようにしてあげる。左手だして？』

出した手にﾁｭ、とキスをする。正直恥ずかしい。

「はっ…はぁぁあ!?/////」
『っはは、顔真っ赤じゃん。』

万次郎と目を合わせる。まだ顔が赤い…。可愛いかよ
ﾂﾝﾂﾝと左手を突き、

『ここ、開けておいてね?』

そう言った。すると「はぁ～～～…」と言ったと思ったら「俺から言いたかった」と返された。

「ねぇ、俺の誕生日悲しいよ。けどAが言ったからにはちゃんと責任もてよ？」
『分かってるって！絶対幸せにしてあげる。』

月夜に照らされ、二人の影が重なる。

万次郎の誕生日に二人が結ばれ、幸せになるのはまだ誰も知らない。

──
ごめんなさい！ぐだぐだで…。はぴば！マイキー！