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4話 ページ8

夜が明けた。がたがた揺れていた窓はもうなんの音もたてずに、朝日を差し込ませている。

 昨夜私たちはあのまま一つの布団で眠って、しかしそれは寒くて二人一緒になって寝ただけで、することはなかった。

 干して乾いた服を身に着け、私は太宰さんに言う。

「一度、家へ帰ってからにします......太宰さんは?」

「うーん、どうしようかなぁ。なんだかもうしばらく入水はいやだなぁ」

 へらっと、笑ってみせて言った彼に、そのとき私の瞳が揺れた。心臓も、同じに揺れてその反動のように少し痛んだ。ドキッとした。

「じゃあ、出勤ですか?」

「うーん......それよりもさ」

 彼の声がすっと低くなった。ねぇ、萩原さん。

「君は、どうなんだい。休みはあるのかい。君、氷菓ちゃんに仕事を任されているでしょう」

 眉をひそめながら憤る彼に、私はなんと言えばいいのかわからなかった。私は、悪口がこわかった。トイレの個室から聞いた自分を嘲笑するようなざわめく声々がずっと響いて離れない。否定したい。けれど、その場の取り繕いだとかも得意じゃない。

 そんな、えっと、あの、だとかっていう曖昧な言葉をならべて後ずさり、玄関のそばにおかれてあった鞄をつかんでお金だけ残して私は去った。


  *


 夜になると死にたくなるのはなぜだろう。

 心中未遂からもう三日経った。太宰さんは社で私の名前を呼ぶことはなかった。それに、勝手に絶望する自分がいる。馬鹿みたいだろ、こんなの。本当に。

 今日は特に普段と早くも遅くもない九時ごろに社を出て、家に着いて、ぼろぼろ泣く。

 こんなことで泣くなんて被害者じみていてだめだって知ってる。自分が泣いて楽になろうとしていることも知ってる。だから涙を流したいし流したくないしけれどどうしようもなく流れてくるのだからもうしょうがない。

 死にたい、と検索をかけると、相談のための電話番号がでかでかと現れる。スクロールして、関連したタイトルを様々読む。私はこれが好きだ、いや、まったくもって好きなんてないのだが、これを眺めて適当に泣くと少し楽になる。精神安定剤、という言葉がそのとき浮かんで、本当に自分は社不なんだと笑えてきた。

 ベッドに自分の身体が縫い付けられているようだ。夕飯をとったり、お風呂に入ったり、しないといけないのに、どうしても動かない、動けない。

 そのまま私は寝落ちした。

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うずのしゅげ(プロフ) - 猫さん» ありがとうございます笑笑 そうですね、本当に彼女には報われてほしいですね☺️☺️ ドスくんが楽器を弾いて、夢主ちゃんが歌ってとかっていう穏やかで幸せな日々がありそうで妄想の翼が広がりますね!!笑 (7月17日 10時) (レス) id: c82952eeb4 (このIDを非表示/違反報告)
- ズビッズビッっべ、別に泣いてないですけど、夢主ちゃんは幸せであって欲しいですねズビッ (7月8日 10時) (レス) @page24 id: a46c77cf46 (このIDを非表示/違反報告)
吹原思木(プロフ) - ラいむさん» ラいむ様!!長い間、本当にお世話になりましたー−!!!こちらこそ、今までありがとうございました。受験勉強がんばってきます!何度も何度もしつこいようですが、本当に、ありがとうございました! (2022年10月23日 21時) (レス) id: 82c6167370 (このIDを非表示/違反報告)
吹原思木(プロフ) - 眠夢@低(無)浮上さん» わー−!!うれしいですー!そうですねー、もうこの作品を書くことがないんだと思うと、本当に私も寂しい気持ちです、、わざわざコメントありがとうございました!次作でもよろしくおねがいしますー−! (2022年10月23日 21時) (レス) id: 82c6167370 (このIDを非表示/違反報告)
吹原思木(プロフ) - 黒猫さん» 上から読み返してくださったんですか......!! いやもうまじで、うれしいです!!黒猫様にはお世話になりました、今まで本当に、ありがとうございました!!受験勉強も、がんばってきます! (2022年10月23日 21時) (レス) id: 82c6167370 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うずのしゅげ | 作者ホームページ:https://twitter.com/8YgT1yhKwYPDEd7  
作成日時:2022年8月11日 22時

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