008 うるさい迎え ページ9
「誰ッ!?」
私はすぐに棒をポーチにしまい、窓際に寄る。
「来い」
ハジメではなかった。
確かこの人は＿＿＿＿＿
「猿門さんですか……驚かせないでください」
先ほど喧嘩を吹っかけてきやがった看守。態度変えてやる。
「……んで、どこ行くのさ？」
「最初から偉そうな糞ガキだな、オマエ」
今日『糞ガキ』言われたの何回目だよ。
「偉そうでいいじゃないですか、別に」
喧嘩腰で返す。
看守相手に喧嘩したら後で大変な目に遭いそうだが、まぁいいか。どうにかなるだろう。
「オマエ……チッ、まあいい。さっさと着いてこい」
「は、何処連れて行くつもり？」
「うっせーな黙ってついてこりゃいいんだよ!」
「はぁ!?……って、ひゃあぁぁああ!?」
私はいつの間にか猿門に抱えられ、そのまま廊下を走り抜けていた。
「チョッ、降ろしなさいよ!!///」
「うっせーな黙れ！あと暴れるな！」
「わ、私だって自分で歩けるし!!///」
「ガキはこうやった方が早いんだよ!」
「だ、だからって!降ろしなさいよ!!誰かに見られたら大変でしょ///」
「ハァ!?ここは人通らねェだろ!」
「いや、だって防犯カメラ!///」
「あ」
猿門さんが手を緩めた隙に、私はスポッと体を抜く。
「私だって走れるから!何処か行くなら私は自分の足で移動するし!」
「あ゛ーハジメと言いオマエと言い、ウゼェ」
「いきなりその言い方はないでしょ〜?」
「あ゛？」
「さっきからずっと『オマエ』って呼んでるけど、しっかりと私にも番号あるし!」
「そう言ったらオマエだって!……あー違った」
「だから文句言うんだし」
「……ワリィ」
ん？
え？さっきこの看守なんて言った？
もしかして……猿門さんって＿＿＿＿＿
言論できない人？
「……別に良いよ。慣れてるし」
しょうがない。許そう。
「意味わかんね。女とか……」
「ふーん……」
大体見当がついた。ちょっといじってやろうかな〜。
「猿門さんって恋愛経験ゼロですかｗｗ」((ﾄﾞﾔ
「ンなッ!……ち、ちげーし!!///」
嘘ってこと、バレバレ。
リンゴのように赤く染まる頬。驚きで見開かれた目。そして慌てた対応。見ていてとても愉快だ。
「オマエもそうだろ!///」
「……」((汗
今度は私の番か。
そう。何を隠そう、私は恋愛経験ゼロ。
人とお付き合いをしたことなんて一度もないし、まず人に好意を抱いたことすらない。
さすがにまずいなと思いながら私は硬直した。
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白夜狼 - とても面白い作品でした！ところで一つ気になったのが、『夜桜』ではなくて『四桜』ではないでしょうか？ (2018年11月15日 21時) (
レス) id: baf811e79e (このIDを非表示/違反報告)
くろくろ(プロフ) - リンさん、コメントありがとうございます!! (2017年11月21日 21時) (レス) id: a73440cd59 (このIDを非表示/違反報告)
リン - とても楽しかったです!! (2017年11月21日 19時) (レス) id: baf9cf8c73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くろくろ | 作成日時：2017年10月31日 6時
